山風にのって歌がきこえる 大槻三好と松枝のこと

惣田紗希(著)
発行:タバブックス  四六変型判   168ページ 上製

概要:太田市美術館・図書館「ことばをながめる、ことばとあるく 詩と歌のある風景」出品作品である大槻三好・松枝、惣田紗希 短歌×イラストレーション作品をもとにした書籍。昭和初期、太田市の歌人大槻三好・松枝の出会い、結婚、出産、松枝の死、そして遺された子。みずみずしい口語短歌と太田にゆかりのある惣田紗希のイラスト・装丁で、二人の短くかけがいのない日々に思いを寄せた1冊です。

前書きなど
はじめに

 大槻三好と松枝は、共に一九〇〇年代初頭に群馬県太田市に生まれ育ち、一九二〇年代から活動を始めた歌人夫婦である。
 私が二人の短歌に出合ったのは、二〇一八年の夏に群馬県の太田市美術館・図書館で 開催された展覧会『ことばをながめる、ことばとあるく――詩と歌のある風景』(会期: 二〇一八年八月七日~十月二十一日)に作家として呼ばれたことがきっかけだった。 展示の内容としては、太田市に所縁のある作家とのコラボレーション枠で、太田市を拠 点に活動していた知られざる歌人夫婦・大槻三好と松枝の短歌を元に、美術館の展示室の 壁三面に壁画を描くというもの。

私は太田市に隣接する栃木県足利市に生まれ育ったため、太田市に馴染みはあったも のの、作品制作当時、三好と松枝を知る手がかりは、現在は絶版となっている三冊の歌 集しかなかった。三好の二十~二十五歳までの短歌を収録した『白墨の粉』(紅玉堂書店、 一九二九年)、二十六~三十歳までの短歌を収録した『花と木馬』(素人社書屋、一九三四年)、 松枝の死後に三好が遺稿を編集・装丁した『紅椿』(紅玉堂書店、一九三〇年)の三冊である。 その三冊を広げて読み解き、二人が共有していたであろう時間や心の揺れを辿りながら、 それぞれの生活、仕事、出会い、恋愛、結婚、出産、死別までの歌を時系列に沿って選出し、 展覧会では合計三十九首を壁面に並べ、それに合わせて全長約二十メートルの壁画『山風 と記憶を辿る線』を描いた。 美術館の展示では空間的な制約があったため三十九首に絞られたが、本書ではそれを元 に、より深く夫婦の背景を辿れるよう短歌を大幅に追加し、再編集した。

 太田市のほぼ中央に位置し、街のシンボルとされている金山は、太田市美術館・図書館を起点としても歩いて頂上まで行くことができる。それは、夫婦が共に歩いた道でもあったかもしれない。山頂からは、太田市の街をほとんど見渡すことができる。この街で過ごした夫婦の生活はどんなものだったのか。山頂で心地よく吹く風に耳を澄ます。

版元から一言
昭和初期、群馬県太田市の教員で歌人の大槻三好と松枝が出会った。教員生活、結婚、妊娠、出産、松枝の死、そして遺された子。みずみずしい口語短歌と惣田紗希のイラストで描く、二人の短くかけがいのない日々。

著者プロフィール
惣田紗希 (ソウダサキ) (著)
グラフィックデザイナー/イラストレーター。1986年、栃木県足利市に生まれる。2008年、桑沢デザイン研究所卒業。デザイン会社にてブックデザインに従事したのち、2010年よりフリーランス。2013年より東京から足利市に拠点を移す。インディーズ音楽関連のデザインや装丁を手掛けるほか、イラストレーターとして雑誌や書籍を中心に国内外で活動中。

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