その世とこの世
谷川 俊太郎 (著), ブレイディ みかこ (著), & 1 その他
いまここの向こうの「その世」に目を凝らす詩人と、「この世」の地べたから世界を見つめるライターが、1年半にわたり詩と手紙を交わした。東京とブライトン、老いや介護、各々の暮らしを背景に、言葉のほとりで文字を探る。奥村門土(モンドくん)描きおろしイラストを加えての、三世代異種表現コラボレーション。
目次
邪気の「あるとない」………ブレイディみかこ
萎れた花束………谷川俊太郎
Flowers in the Dustbin………ブレイディみかこ
その世………谷川俊太郎
青空………ブレイディみかこ
座標………谷川俊太郎
詩とビスケット………ブレイディみかこ
現場………谷川俊太郎
淫らな未来………ブレイディみかこ
気楽な現場………谷川俊太郎
秋には幽霊がよく似合う………ブレイディみかこ
幽霊とお化け………谷川俊太郎
ダンスも孤独もない世界………ブレイディみかこ
父母の書棚から………谷川俊太郎
謎の散りばめ方………ブレイディみかこ
笑いと臍の緒………谷川俊太郎
ウィーンと奈良………ブレイディみかこ
Brief Encounter………谷川俊太郎
著者について
谷川俊太郎(たにかわ しゅんたろう)……1931年東京生まれ。詩人。1952 年『二十億光年の孤独』でデビュー。詩作のほか、絵本、エッセイ、翻訳、作詞、脚本など幅広く作品を発表。読売文学賞、萩原朔太郎賞、三好達治賞、鮎川信夫賞、日本翻訳文化賞、日本レコード大賞作 詞賞ほか受賞多数。子どもが読んで楽しめる詩集から、先鋭的・実験的な詩集まで、幅広い作風をほこる。その詩 はさまざまな言語に訳されており,2022 年には詩の国際大会「ストルガ詩祭」の最高賞「金冠賞」が授与された。『自選 谷川俊太郎詩集』(岩波文庫)、電子書籍オリジナル編集による「谷川俊太郎 ~これまでの詩・これからの詩~」(岩波書店、58 作リリース済み)など著書多数。
ブレイディみかこ(Mikako Brady)……1965年福岡市生まれ。ライター。1996 年から英国ブライトン在住。保育士としての経験を書いた『子どもたちの 階級闘争──ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)で新潮ドキュメント賞を受賞。『ぼくはイエロー でホワイトで、ちょっとブルー』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞、本屋大賞ノンフィクション本大賞などを受賞。 『ヨーロッパ・コーリング・リターンズ』(岩波現代文庫)、『女たちのテロル』(岩波書店)、『ブロークン・ブリテン に聞け Listen to Broken Britain』(講談社)、『他者の靴を履く──アナーキック・エンパシーのすすめ』(文藝春秋)、 『両手にトカレフ』(ポプラ社)、『R・E・S・P・E・C・T』(筑摩書房)など、著書多数。
奥村門土(おくむら もんど)/モンドくん……2003年福岡市生まれ。画家。3歳頃より絵を描き始め、小学生になると週末には似顔絵屋さんとして活動をはじめる。 2014年には初の画集『モンドくん』(PARCO出版)発表。雑誌『ヨレヨレ』(ナナロク社)の表紙や谷川俊太郎との コラボ、瀬戸内寂聴『死に支度』(講談社)、鹿子裕文『へろへろ』『ブードゥーラウンジ』(ナナロク社)の装画など を手掛け、東京や台湾、シンガポールで個展を開催するなど、国内外で大きな注目を集めている。映画『ウィーアー リトルゾンビーズ』(2019 年) には俳優として出演。
出版社 : 岩波書店
発売日 : 2023/11/23
言語 : 日本語
単行本 : 168ページ