め生える
高瀬 隼子 (著)
せっかくみんなハゲたのに――
突然起こった原因不明の感染症は、いつしか中高生以下を除く全ての人がはげる平等な世界に変えた。
元々薄毛を気にしていた真智加は開放感を抱いていたのだが、ある日、思いがけない新たな悩みに直面し、そのことが長年友情を培ってきたテラとの関係にも影響が及ぼしそうで…。
同じく、予想外の悩みは、幼少期に髪を切られる被害にあった高校生の琢磨にもある。それは恋人の希春と行った占い師のお告げがきっかけだった…。
価値観は刷新したはずなのに、また別の分断の萌芽がそこに。
『おいしいごはんが食べられますように』で芥川賞を受賞した、
高瀬隼子の最新作は、見た目のコンプレックスをテーマに描いた珠玉の中編。
著者について
1988年愛媛県生まれ。東京都在住。立命館大学文学部卒業。2019年「犬のかたちをしているもの」で第43回すばる文学賞を受賞しデビュー。2022年「おいしいごはんが食べられますように」で第167回芥川賞を受賞。著書に『犬のかたちをしているもの』『水たまりで息をする』『おいしいごはんが食べられますように』『いい子のあくび』『うるさいこの音の全部』がある。
出版社 : U-NEXT
発売日 : 2024/1/6
単行本(ソフトカバー) : 168ページ