彼女が大工になった理由
ニナ・マクローリン (著), 宮﨑真紀 (翻訳)
ジャーナリストから大工へと転身した30代女性の等身大エッセイ。
パソコンの前で疲弊している、すべての人に読んでほしい一冊!
「自分らしい人生って何か、どうしたらわかるんだろう?」
華やかなボストンの新聞社で記者として働いていた著者のニナ。ウェブ版の仕事に幻滅し、なにかもっと実体のあるものを相手にしたい、と感じていた彼女の目に止まったのは、大工見習いの募集だった――。
男性ばかりの大工の世界で女性が働くのはどういうことか。
自分の手を使う仕事によって、世界はどんなふうに見えてくるのか。
ぶっきらぼうだけど心優しいボスのメアリーに導かれ、人生に思い惑っていた著者が新しい自分を見つけるまでの物語。
「私がパソコンの前で背中を丸めながら考えていたのは、ここを出ていこう、ただそれだけだった。画面の中以外の何か、インターネットという残響室から出たところにある何かを心から求めていた。もう少し現実と関わり合いたい。でもそれはどういう意味?」(――本文より)
「女性の大工がわずか二・四パーセントしかいないという指摘からもわかるように、性差やセクシャリティも本書のテーマのひとつだろう。だが、著者はその事実を声高に糾弾するわけではない。ただ、自分やメンターのメアリーが真剣に作業をする姿をきっかけとして、女性の大工や職人という存在がもっと普通になればいいと静かに願っている。」(訳者あとがきより)
【著者紹介】ニナ・マクローリン Nina MacLaughlin
米国マサシューセッツ州ケンブリッジ在住。ペンシルベニア大学で英文学と古典学を学んだのち、『ボストン・フェニックス』紙に記者として8年間勤めた。その後大工として修業を始め、現在は大工として働きつつ著述業も行っている。これまでに書評やエッセイを寄稿した新聞や雑誌、ウェブサイトには『ボストン・グローブ』紙、『ロサンゼルス・レビュー・オブ・ブックス』誌、+『ブックスラット』などがある。
【訳者紹介】宮﨑 真紀(みやざき まき)
スペイン語圏文学・英米文学翻訳家。東京外国語大学外国語学部スペイン語学科卒。おもな訳書に、グスタボ・マラホビッチ『ブエノスアイレスに消えた』、フェリクス・J・パルマ『時の地図』(早川書房)、ロサ・リーバス&ザビーネ・ホフマン『偽りの書簡』(東京創元社)、『イレーナ、闇の先へ』(ハーパーコリンズ・ジャパン)、コンドリーザ・ライス『ライス回顧録 ホワイトハウス激動の2920日』(共訳、集英社)、『マラドーナ独白』(東洋館出版社)、ブライアン・スティーヴンソン『黒い司法 黒人死刑大国アメリカの冤罪と闘う』、メアリー・ビアード『SPQR ローマ帝国史』(亜紀書房)など。
出版社 : エクスナレッジ
発売日 : 2019/4/21
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 280ページ