【ZINE】フリーズドライ
ボブ・マーリー、映画になった吉本ばなな「キッチン」、銀河鉄道999、写るんです、etc・・・
店主の心に刺さるキーワードがたくさん出て来ました。40~50代ならわかるはず。おすすめです。エッセイに出てくる川端康成の短編「化粧」は「掌の小説」という本に掲載されていて店でも販売しています。不思議な感情に襲われます。ああ、なんか東京に帰りたくなりました。ちょっと切なくてでも読後感の心地よいエッセイです。
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ササキアイ(著)
「ササキさんからのコメントいただきました!
15編のエッセイは、どれも人生のハイライト的な場面「じゃない方」のことばかりを書いています。だからこそ、自分にもこんなことがあった気がする、この風景を感情を知っている気がする、というふうに、読んでくださった方々それぞれのフリーズドライされていた記憶が、ふわりと蘇るきっかけになったらいいなと思っています。」
『フリーズドライ』というタイトルは、人前で感情的になったりなられたりするのが苦手なドライな私にも、ふとした瞬間に生々しく再生される思いや記憶があり、そのスイッチはきっとありきたりな日常にもふんだんに潜んでいる。という気持ちでつけました。われながら気に入っています。
表紙に使う写真を候補に挙げた数枚から選んでいる最中に、見慣れた景色だったこの電話ボックスが跡形もなく撤去されてしまいました。なくなっても困るわけではないけれど、なくなったらひどく寂しくて、この写真を使おうと決めました。
街並みも私を取り巻く環境も、私が望む望まないに関わらず変わっていくんだと痛感することが、この数年は特に増えた気がしています。
私の好きな東京スカパラダイスオーケストラの曲の中に、『人生は美しいアルバムじゃない 撮れなかった写真さ』という歌詞があり、聴くたびに「おお!」と思うのですが、なんというかまさにそんな、人生のハイライト的な場面ではない、撮れなかった方の写真のことばかりを書いています。なんなら私自身の価値観や生き方の癖みたいなものの大半は、そういう「あらすじには直接関係ない」ことの蓄積で構成されている気がします。(ササキさんnoteより)
B6サイズ
88ページ