【ZINE】観光記
池田彩乃(著)
私なんて、吹けば飛ぶものよ。
この軽やかさを愛さなくてどうする。
詩人なんて、
言葉なんて、
一生なんて、
吹けば飛ぶものよ。
風の全てを愛さなくてどうする。
はじめて詩じゃない言葉の本を作りました。
随筆やエッセイから近くて遠いところにある、これは「レポート」です。
この星にて出会ってきた有形無形を書き残したものの中から
「何度も思い出したいこと」を紙に留めました。
2013年から2020年1月に書いたもので構成されています。
(池田さんのHPより)
この本には、詩の所在や生者の特権、旅する惑星、愛情など、さまざまなテーマが含まれています。池田さんの軽やかで響きのある言葉は、読者の心に深く響くことでしょう。
"観光記"は、言葉を愛する人々にとっての旅の一冊となることでしょう。池田彩乃の独自の視点と感性が織りなす世界と思い出の数々を、ぜひご堪能ください。——————————————————————
目次
1.
詩の所在
生者の特権
思い出すのにもってこいの日
6時00分発京都線河原町行き
測れないかなしみ、肩代わりできない痛み
わからなくて泣く
おおきなものに降られながら一滴ずつ濾過する
野の歌
みんなで分担する
先生のはなし(緊張をほぐすレッスン)
私の荒野
来たる言葉を待ってくれ
成る
銀河を作る
ぜんぶ未来にまかせたい
ずっとこのひとに愛されたかった
全ての離別へ私が語ること
ツルツルの奥歯
ここにないもの、ここに在るもの、ここに在ったもの
先生のはなし(言葉でなにかを殺すこと)
想像すること
私たちの交歓、私たちの呼吸、私たちの散歩
いてほしいひとになる
平和の作り方
持ち場から持ち場へ
401号室の住人の帰宅
愛情
なにをしているの(どうやって生きているの)その問への返答について
頑張らない方法をおしえてください
告白する勇気をください
おとなの風邪
こころ
ベランダからの便り
抱擁の言語
4月1日にしか話せないこと
息の守り方
あなたの季節
2.
言葉がなかったら生きられなかった星
私はなりたい
光を観ている
旅する惑星
ここはひとりでは立ち行かない世界
いい
庭に立つ、庭に転がる
うつくしい暗やみを眼差す屋根
歩行
汎用的私信
言葉に渡す
消える
ハルに会う
台風19号
その夜あなたと話したこと
2019.4.17
輪郭を思い出す/おまえに見えていないうつくしさ
歓びについて
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著者プロフィール
池田彩乃(著)
詩人、デザイナー、遊びを思いつくひと。
1990年、滋賀県生まれ。
2010年、私家版の詩集の制作をはじめる。2020年の企画「星渡りの便り」 以来、手紙の形式でも詩を届けるように。2021年より企画「誕生日のための詩」 をはじめたことにより、言祝ぐことを活動の真ん中に灯している。
並行して2019年より「おめでとう」という屋号を持ち紙のものづくりのお手伝いにも取り組む。 2021年ゆるやかに開業。2022年、出版業として「言祝出版」をはじめる。
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全55篇収録 104頁
新書判(103×182mm)
※表紙・裏表紙に小さな斑点模様が見えますが、
古紙配合率70%の再生紙特有のものです。
一冊ずつ異なる風合いをお楽しみいただければと思います。