ガチョウの本
イーユン・リー (著), 篠森 ゆりこ (翻訳)
「私たちは互いを殺したいと望みながらもできず、互いを救いたいと望みながらもできなかった」――
第二次世界大戦後間もないフランスの田舎とイギリスを舞台とする小説です。13歳の少女二人は、自分たちだけのプライベートな世界を築いて常に一緒に過ごし、お互いに満足していました。物語を描くという「遊び」をきっかけに、すべてが変わってしまう前まではーー。2023年度ペン/フォークナー賞受賞。
■あらすじ
幼ななじみのファビエンヌが27歳でなくなったという知らせを受け取ったアニエスの回想から、物語ははじまる。
第二次世界大戦後まもないフランスの田舎で育った二人はいつも一緒に過ごし、ファビエンヌが提案するいろいろな遊びに興じていた。あるとき、ファビエンヌが小説を書くという遊びを思いつき、彼女が考え出したお話をアニエスが書き留めて原稿を作ることに。著者名はアニエスにしようとファビエンヌは主張する。
その原稿をパリの出版社に持ち込んだところ、守備よく出版が決まった。アニエスは、田舎出身の若き天才作家ともてはやされ、イギリスのフィニッシング・スクールに奨学生として招かれることになった。二人の「遊び」は周囲を巻き込み、思わぬ方向に……。
著者について
1972年北京生まれ。北京大学卒業後渡米、アイオワ大学に学ぶ。2005年『千年の祈り』でフランク・オコナー国際短編賞、PEN/ヘミングウェイ賞などを受賞。プリンストン大学で創作を教えている。
翻訳家。訳書に、イーユン・リー『千年の祈り』『さすらう者たち』『黄金の少年、エメラルドの少女』『独りでいるより優しくて』、クリス・アンダーソン『ロングテール』、サム・ゴズリング『スヌープ!』など。
出版社 : 河出書房新社
発売日 : 2024/7/19
言語 : 日本語
単行本 : 296ページ
寸法 : 13.4 x 2.1 x 19.5 cm