編む――旅のおわりに

北條文緒 (著)

「私の人生が円環のかたちを描くことがあるとすれば、それは雪ひらのように、繭の糸のように、自分の繰り出すことばが私を閉じこめ、円の芯が存在するかのような幻影を私に与えるときではないか……」(「円環のブータン」)
17世紀英国の形而上詩人が人間、地球、宇宙に抱いた円環のイメージがブータンの風景と人に重なる。ローマ、ナポリからアマルフィ海岸を巡る旅のうちに、南イタリアがギッシングのギリシア熱に熟成を与えたものを見出し、新羅時代の寺院遺跡にワトキンスが唱えた古代遺跡群が描く直線の道を思う。そして旧友を訪ねてシアトルへ飛び、滞在中の買物レシートに彼女との特別で濃密な1週間の記憶を刻む旅……生前に書き溜めた紀行エッセイ6篇。


目 次

円環のブータン
イタリア二人旅行
湯田中のカステラ
近くて遠い韓国
シアトル買物旅行
編む――旅のおわりに

初出一覧

著者について
北條文緒
(ほうじょう・ふみを)
1935-2023。東京に生まれる。1958年東京女子大学文学部英米文学科卒業。1961年一橋大学大学院社会学研究科修士課程修了。東京女子大学名誉教授。イギリス小説、翻訳研究専攻。著書・編著『ニューゲイト・ノヴェル』(研究社)『ヒロインの時代』『遙かなる道のり イギリスの女たち 1830-1910』(共編著)(国書刊行会)『ブルームズベリーふたたび』(エッセイ集、みすず書房)『嘘』(短篇集、三陸書房)『翻訳と異文化』(みすず書房)『猫の王国』(エッセイ集、みすず書房)。訳書 E・M・フォースター『眺めのいい部屋』『永遠の命』『アビンジャー・ハーヴェスト』『民主主義に万歳二唱』(共訳)、Q・べル『回想のブルームズベリー』、S・ソンタグ『他者の苦痛へのまなざし』、A・ホワイト『五月の霜』、A・ホフマン『ローカル・ガールズ』、K・フォックス『イングリッシュネス』『さらに不思議なイングリッシュネス』(共訳)(いずれもみすず書房)、P・ホーヴァス『サリーおばさんとの一週間』(偕成社)、A・リデル『ナチ 本の略奪』(共訳、国書刊行会)、K・アームストロング『血の畑 宗教と暴力』(共訳、国書刊行会、日本翻訳文化賞受賞)ほか。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

出版社 ‏ : ‎ みすず書房
発売日 ‏ : ‎ 2024/7/25
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 240ページ
寸法 ‏ : ‎ 19.4 x 13.1 x 2 cm

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