つくる人になるために: 若き建築家と思想家の往復書簡

光嶋裕介 (著), 青木真兵 (著), 青木海青子 (イラスト)

自分にとって大切だと思うことを、思い切って言葉にする。
誰からも必要とされなくても、見向きもされなくても、声を発し続ける。
それが僕にとっての「つくる」ということ。


建築する日々に励みながら、旅先でのスケッチや執筆活動にも精をだす若き建築家と、奈良の山村に私設図書館をつくり、執筆や自主ラジオなど様々な形でメッセージを発信する若き思想家が、些細な日常の出来事や思索をつぶさにみつめて綴った往復書簡。

私たちにとって「つくる」とはなにかを問いかけ、つくる喜びについて対話を重ねながら、生き物として生きやすい社会を模索していく。

書簡をとおした対話のトピックスはまさに縦横無尽。働くことやお金のこと、ふたつの原理の往還、外と内の自然、そして建築や本の話まで広がっていきます。ふたりの対話をじっくり観察すると、私たちがイメージする「つくる」という言葉の意味が豊潤に広がり、社会の前提を問い直すこと、自ら思考し行動することが、何かを「つくる」ことへのきっかけにつながるのではないかと感じます。

互いのちょっとした違いを認め合い、相手の言葉を受け止め、内省し、さらに言葉を紡いでいく二人の姿勢は、私たちの日々の生活や思考へのささやかな刺激となり、「つくる」のイメージを拡張し、生き物として少しでも生きやすい社会をつくるヒントになるかもしれません。また、ふたりの書簡を楽しく彩る青木海青子さんのイラストも見どころです。


対話相手の知性に対する敬意を示すのは容易なことではありません。「打ち返しやすいボール」を打ち込むことではもちろんないし、かといって「打ち返せないボール」を打ち込むことでもない。そのあわいの、相手が最高のパフォーマンスを発揮できる球筋をピンポイントで狙う技術がふたりとも卓越しています。
――― 内田 樹

著者について
光嶋裕介(こうしま・ゆうすけ)
建築家/一級建築士/博士(建築学)
1979年米国・ニュージャージー州生まれ、小学校2年生の頃日本・奈良に帰国するも、少年野球(5番キャッチャー)に熱中。中学からカナダ・トロントと英国・マンチェスターで過ごし、野球に加えてNBAにハマる。高校で再度帰国し、バスケに明け暮れて、バンド(英語の発音がよくて声がデカイだけのボーカル)をやったり、村上春樹を通して読書に目覚めたり、麻雀を覚えたりする。2004年に早稲田大学大学院を修了し、単身ヨーロッパへ。ドイツ・ベルリンの設計事務所で職を得て、4年間働く。2008年に帰国し、光嶋裕介建築設計事務所を開設。2011年に処女作として、内田樹先生の道場兼自宅《凱風館》を神戸に完成させる。竣工後すぐに入門し、現在は合気道参段。2021年より、神戸大学特命准教授。主な作品に、《旅人庵》(京都)、《森の生活》(長野)、《桃沢野外活動センター》(静岡)など。2015年にAsian Kung-Fu Generationの《Wonder Future》全国ツアーのステージデザインとドローイングを提供。主な…

青木真兵(あおき・しんぺい)
思想家/社会福祉士/博士(文学)
1983年生まれ、埼玉県浦和(現さいたま)市にて育つ。現在は「人文系私設図書館ルチャ・リブロ」キュレーターを名乗っている。中学・高校時代は米米CLUBとみうらじゅんに傾倒していた。大学では考古学を専攻し、大城道則先生の研究室と図書館を往復する日々を過ごしながら、長期休みには国内外の発掘調査に出かけていた。大学院進学を機に関西に越し、西洋史を専攻しつつ内田樹先生の大学院ゼミに通う。
専門は古代地中海史(フェニキア・カルタゴ)。2014年より実験的ネットラジオ『オムライスラヂオ』を週一本以上配信し続けている。2016年より奈良県東吉野村在住。現在は障害者の就労支援を主な仕事にしつつ、大学などで講師を務めている。著書に『手づくりのアジール』(晶文社)、妻・青木海青子との共著『彼岸の図書館』(夕書房)、『山學ノオト』シリーズ(エイチアンドエスカンパニー)などがある。

出版社 ‏ : ‎ 灯光舎
発売日 ‏ : ‎ 2023/7/28
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 260ページ

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