地域主権という希望:欧州から杉並へ、恐れぬ自治体の挑戦
岸本聡子 (著)
民主主義を再生する、足元からの挑戦政治経験ゼロから杉並区長となった著者が、世界各地で起きている自治体からの変革=ミュニシパリズムの実例を紹介。新自由主義による地域経済と政治の劣化に歯止めをかけ、足元から公共と民主主義を再生する希望の指針を描く。
[目次]
序章 杉並区は「恐れぬ自治体」をめざす
第1章 ミュニシパリズムとは何か
第2章 新型コロナパンデミックと「公共」の役割
第3章 気候危機に自治体として立ち向かう
第4章 「もうひとつの世界」はもう始まっている
おわりに
注目の杉並区長はいかなるビジョンに基づき、何を実現しようとしているのか?
政治・行政経験ゼロ、地縁・血縁なし。異色の経歴と劇的な僅差の勝利で、一躍全国からの注目を集めた杉並区長・岸本聡子。
その型破りな政策ビジョンは、20年あまり在住したヨーロッパで調査研究してきた「ミュニシパリズム(地域主権主義)」に根ざしている。
地域住民が主体となって市民政党を形成し、首長や議員を送り出して自治体の政策決定に参加する。
住民生活を守るために政治の力を最大限に活用し、政府や企業の圧力にも決然と立ち向かう「恐れぬ自治体(フィアレスシティ)」。
99%の人々の生活を守り、危機的な気候変動を食い止めるために、「公共(コモンズ)」の力を回復していく――。
この新たな潮流は日本でも実現できるのか?
.ヨーロッパや中南米の各地で展開するミュニシパリズム自治体の草の根ムーブメントを多数紹介。
新自由主義とパンデミック、そして排外主義の台頭から人々の生活と自由を守る、グローバルな挑戦の息吹を伝える。
著者について
岸本聡子(きしもと・さとこ)
現杉並区長、公共政策研究者。1974年東京生まれ。20代で渡欧しアムステルダムを本拠地とする政策シンクタンク「トランスナショナル研究所(TNI)」に所属。新自由主義や市場原理主義に対抗する公共政策、水道政策のリサーチおよび世界の市民運動と自治体をつなぐコーディネイトに従事。著書に『水道、再び公営化!』(集英社新書)『私がつかんだコモンと民主主義』(晶文社)。2022年6月、杉並区長選挙に立候補し187票差で現職に勝利、初の女性区長となる。
出版社 : 大月書店
発売日 : 2023/1/19
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 272ページ