『忘れられた日本人』をひらく 宮本常一と「世間」のデモクラシー
若林恵 (著), 畑中章宏 (著)
宮本常一は民主主義の理論家だ!──宇野重規(政治学者)
不世出の民俗学者・宮本常一の主著のひとつであり、今なお愛され読み継がれる『忘れられた日本人』。そこに描かれた日本人の姿を、ノスタルジアや復古主義に陥ることなく、グローバリズムとナショナリズムとが錯綜する21世紀の世界のなかにいかに価値づけ、その可能性をひらくことができるのか。編集者・若林恵が民俗学者・畑中章宏と「忘れられた日本人」と「民主主義」の新たな姿をさがす、寄り道だらけの対話篇。
『宮本常一:歴史は庶民がつくる』『感情の民俗学』(畑中章宏)と『実験の民主主義』(宇野重規+若林恵)の必読副読本!
【本書の目次】
はじめに 若林恵
1. 翻訳 translation
2. 反作用 reaction
3. 寄合 consensus
4. 実施 practice
5. 経営体 enterprise
6. 海賊 pirates
7. 世間 worldly
8. 環世界 unwelt
9. 進歩 progress
10. 実験 experiment
11. 道具 tools
12. 伝承 lore
おわりに 畑中章宏
著者について
若林恵|Kei Wakabayashi
黒鳥社コンテンツディレクター。平凡社『月刊太陽』編集部を経て2000年にフリー編集者として独立。以後、雑誌、書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。2018年、黒鳥社設立。著書『だえん問答 コロナの迷宮』(黒鳥社・2020年12月刊行)、『さよなら未来』(岩波書店・2018年4月刊行)、責任編集『次世代ガバメント 小さくて大きい政府のつくり方』。「こんにちは未来」「〈働くこと〉の人類学」「音読ブラックスワン」などのポッドキャストの企画制作でも知られる。
畑中章宏|Akihiro Hatanaka
1962年、大阪府生まれ。民俗学者。民間信仰・災害伝承から最新流行の風俗まで幅広い対象に取り組む。著書に『災害と妖怪』『忘れられた日本憲法』(ともに亜紀書房)、『天災と日本人』『廃仏毀釈』(ともにちくま新書)、『21世紀の民俗学』(KADOKAWA)、『死者の民主主義』(トランスビュー)、『五輪と万博』『医療民俗学序説』(ともに春秋社)ほか多数。
出版社 : 黒鳥社
発売日 : 2023/12/5
言語 : 日本語
新書 : 208ページ