だから私はここにいる 世界を変えた女性たちのスピーチ

アンナ・ラッセル (著), カミラ・ピニェイロ (イラスト), 堀越英美 (翻訳)

心を揺さぶる声に触れ
その一歩を踏み出そう

性差だけでなく人種、民族、宗教、障害の壁も乗り越え
多様な分野で権利と尊厳のために声を上げてきた
女性たち54人の力強い言葉を味わうアンソロジー


本書には主に女性の権利を求める闘いが始まった1830年代から現代までのさまざまな女性によるスピーチ54本が収録されており、女性によってもたらされた変革の歴史を“言葉"という入り口から簡潔にたどることができます。

急進的な女性限定組織「女性社会政治同盟(WSPU)」のリーダーであるエメリン・パンクハーストの「自由か死か」演説(1913年)、世界で初めてノーベル賞を2度受賞した人物となったマリー・キュリーのノーベル賞受賞講演(1911年)、政治における子育てについて語るミシェル・オバマ(2016年)、ブラック・ライブス・マター共同創設者のアリシア・ガーザの「黒人女性に捧げる詩」(2017年)など、本書に集められた言葉はどれもが刺激に満ち感動的なものばかりで、読む者に力を与えてくれます。

作家のヴァージニア・ウルフは仕事と女性をテーマにした講演「女性にとっての職業」(1931年)で、女性が無意識のうちに自己検閲してしまう習性について考察し、女性初の欧州議会議長に選出された政治家のシモーヌ・ヴェイユは、ほとんど男性しかいない議会で、雄弁かつ共感的にフランスでの中絶合法化を訴えました(1974年)。また映画『ハリー・ポッター』でハーマイオニー・グレンジャーを演じた俳優・活動家のエマ・ワトソンは「He For She」キャンペーンの立ち上げを発表したスピーチ(2014年)のなかで男女平等の話題に男性の関わりを増やすべく、あらゆるジェンダーの人々による包括的な運動への参加を呼びかけました。

ヒロインでも聖人でもない実在の人物による54のスピーチはどれもウィットに富んで説得力があり、人柄が感じられ、強い信念に貫かれた情熱的なものばかり。そして「女性はどのようにあるべきか」という問題を私たちに投げかけています。

「ここにあるのは革命を起こしたスピーチだ。革命には二種類ある。大規模なデモや暴力的な衝突といった形で公共の場で起こる革命と、心の中で起こる静かな革命と。そのどちらも引き起こしたこれらのスピーチは、記憶されるべきものだ」(本書「はじめに」より)

「女性たちの歴史においては、多くの形あるものが我々の前から姿を消してきた。ポスターや請願書、バッジやチラシ、私的な手紙・日記といったたぐいのもの。何世紀もの間死蔵されたり無署名のままだったりした美術、批評、文学作品。それから家事や病院の予約、支払い期日、買い物メモや葬儀の段取りなどを書き留めた無数のリスト等々。女性のスピーチを確認するのが難しいのは、さほど驚くことではないのかもしれない。私たちの言葉は、発せられたあとどうなるのだろう。メモに残され、記事や書籍に書き起こされるのだろうか。誰かの耳に残って、静かなひと時に口ずさまれるのだろうか。それとも、口から離れたとたんとんぼ返りするように、ひっそりと消えていくのだろうか。」
(本書「はじめに」より)

【目次】
はじめに

エリザベス一世「ティルベリー演説――アルマダの海戦にて」1588
フランシス・ライト「正しい知識を得るための手段と考えられる自由な探求について」1829
マリア・スチュワート「別れの挨拶」1833
アンジェリーナ・グリムケ「奴隷制廃止演説」1838
ソジャーナ・トゥルース「私は女じゃないんですか?」1851
ヴィクトリア・ウッドハル「社会的自由の原則」1871
サラ・ウィネマッカ「インディアン問題委員会での声明」1884
エリザベス・キャディ・スタントン「自己の孤独」1892
メアリ・チャーチ・テレル「合衆国の首都で黒人であるとはどういうことか」1906
アイダ・B・ウェルズ「このすさまじい殺戮」1909
マルキエビッチ伯爵夫人「女性、理想、国家」1909
マリー・キュリー「ノーベル記念講演:ラジウム、および化学における新概念」1911
エメリン・パンクハースト「自由か死か」1913
ネリー・マクラング「男性は投票すべきか?」1914
ユッタ・ボイスン=ムラ「参政権を勝ち取って」1915
エマ・ゴールドマン「陪審員への演説」1917
ナンシー・アスター「国会での初演説」1920
マーガレット・サンガー「産児制限の道徳性」1921
ヴァージニア・ウルフ「女性にとっての職業」1931
フダー・シャアラーウィー「アラブ・フェミニスト会議でのスピーチ」1944
フンミラヨ・ランサム=クティ「女性についての話」1949頃
エヴァ・ペロン「デスカミサードスへの演説」1951
ヘレン・ケラー「ルイ・ブライユの人生と彼が遺したもの」1952
エレノア・ルーズベルト「架け橋としての国際連合」1954
シャーリー・チザム「女性の平等な権利」1969
ルース・ベイダー・ギンズバーグ「フロンティエロ対リチャードソン裁判口頭弁論」1973
シルビア・リベラ「静かにしなさいよ」1973
シモーヌ・ヴェイユ「中絶法に関する議会演説」1974
インディラ・ガンディー「真の女性解放」1980
マーガレット・サッチャー「淑女は決して後戻りしない」1981
アーシュラ・K・ル=グウィン「左ききの卒業式祝辞」1983
バーバラ・マクリントック「ノーベル賞記念講演」1983
コラソン・アキノ「米国合衆国議会合同会議での演説」 1986
ナオミ・ウルフ「女性の居場所」1992
セヴァン・カリス=スズキ「国連環境開発会議でのスピーチ」1992
ウィルマ・マンキラー「北アリゾナ大学卒業式祝辞」1992
トニ・モリスン「ノーベル賞記念講演」1993
ヒラリー・クリントン「国連の第4回世界女性会議での発言」1995
ワンガリ・マータイ「ノーベル賞記念講演」2004
J・K・ローリング「ハーバード大学卒業式記念講演」2008
アンゲラ・メルケル「米国議会での演説」2009
シェリル・サンドバーグ「バーナード・カレッジ卒業式のスピーチ」2011
エレン・ジョンソン・サーリーフ「ノーベル賞記念講演」2011
アスマ・マフフーズ「エジプト革命の火付け役となったブログ動画」2011
マナル・アルシャリフ「自由へのドライブ」2012
ジュリア・ギラード「ミソジニー演説」2012
マララ・ユスフザイ「ノーベル賞記念講演」2014
エマ・ワトソン「He For Sheキャンペーン発表会スピーチ」2014
ジェーン・グドール「地球をケアする――希望をもつ理由」2016
ミシェル・オバマ「民主党全国大会でのスピーチ」2016
グロリア・スタイネム「ウィメンズマーチ・スピーチ」2017
ベアトリス・フィン「ノーベル賞記念講演」2017
アリシア・ガーザ「黒人女性に捧げる詩」2017
マヤ・リン「スクール・オブ・ビジュアル・アーツ卒業式祝辞」2018

まだまだいる、人々の心を動かしてきた女性たち
もっと知るために
訳者あとがき
スピーチ原稿クレジット

著者について
【著者プロフィール】
アンナ・ラッセル(Anna Russell)
『ニューヨーカー』誌「トーク・オブ・ザ・タウン」コーナーの編集者兼ライター。『ウォール・ストリート・ジャーナル』アート&カルチャー部門のロンドン特派員を経て、『コンデナスト・トラベラー』『ニューズウィーク』『ニューヨーク・デイリー・ニュース』などで執筆活動を行う。ニューヨーク大学英文学専攻卒。

【イラストレータープロフィール】
カミラ・ピニェイロ(Camila Pinheiro)
ブラジル・サンパウロ在住のイラストレーター、アーティスト、母親。サンパウロでファッションとデザインを学び、ディオールを経ていくつかの代理店に勤務した後、自身のスタジオを開設。マグリット、マティス、モンドリアン、アレキサンダー・ジラールなど、幅広いアーティストから影響を受けている。

【訳者プロフィール】
堀越英美(ほりこし・ひでみ)
文筆家・翻訳家。訳書に『自閉スペクトラム症の女の子が出会う世界──幼児期から老年期まで』(河出書房新社)、『ギタンジャリ・ラオ──STEMで未来は変えられる』(くもん出版)、『ガール・コード──プログラミングで世界を変えた女子高生二人のほんとうのお話』(‎Pヴァイン)、『世界と科学を変えた52人の女性たち』(青土社)など。著書に『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)『スゴ母列伝』(大和書房)など。

出版社 ‏ : ‎ フィルムアート社
発売日 ‏ : ‎ 2022/5/26
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 184ページ

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