スペシャルティコーヒーの経済学
カール・ウィンホールド (著), 古屋 美登里 (翻訳), 西村 正人 (翻訳), 福澤 由佑 (監修, 解説)
〈 一杯1000円のコーヒーは生産農家を救えたか?〉
◉長年コーヒー業界全般の諸問題に向き合ってきた著者が、脆弱なステークホルダー(零細生産者)に焦点を当てて説く現状と未来。
◉スペシャルティコーヒーに代表される倫理的かつ持続可能な方途とは?──広範な学術論文や研究を噛み砕き、独自の分析と考察を加えた必携書。
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コーヒーの世界を動かしているのは綺麗事の物語ではなく、「需要」と「供給」だ。
持続可能で倫理的なコーヒーを広めていくために、ではどう価値をつけ、どう還流させていけるのか。
世紀をまたいで謳歌された「神話」の終焉。いま解決すべき課題とコーヒーの未来とは。
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【目次】
■第1章……コーヒー経済学入門
■第2章……国際的なバリューチェーン
■第3章……農園のあり方
■第4章……持続可能性を問う
■第5章……解決策──運まかせか否か
著者について
カール・ウィンホールド(KARL WIENHOLD)
1987年生まれ。ポストコロニアル農村開発に焦点を当てた農民社会とグローバル経済の交わりを研究し、アメリカ・サーダーバード大学(現アリゾナ州立大学の一部)、ブラジル・リオデジャネイロ連邦大学でMBAを取得。長年、経営コンサルティングとコーヒーの国際交易に携わり、2013年にコロンビアの零細コーヒー農家の権利向上を提唱する共同組合「セドロ・アルト」を創設。アリゾナ州のコーヒーブランドSwillings Coffeeの共同創設者にして生豆バイヤー、製品オペレーションマネージャーも務める。現在は、ポルトガルのリスボン大学で世界的に取引される零細農産物にまつわる開発学についての博士号を取得するための研究に従事。
古屋 美登里(ふるや・みどり)
翻訳家。著書に『雑な読書』、『楽な読書』(ともにシンコーミュージック)。訳書にエドワード・ケアリー『B:鉛筆と私の500日』、『吞み込まれた男』、アイアマンガー三部作(『堆塵館』『穢れの町』『肺都』以上東京創元社)、アフガニスタンの女性作家たち『わたしのペンは鳥の翼』(小学館)、デイヴィッド・マイケリス『スヌーピーの父 チャールズ・シュルツ伝』、カレン・チャン『わたしの香港』、マイケル・フィンケル『美術泥棒』、ナタリー・リヴィングストン『ロスチャイルドの女たち』(以上亜紀書房)、ジョディ・カンター他『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』(新潮文庫)など多数。
西村 正人(にしむら・まさと)
京都市生まれ。早稲田大学第一文学部文芸専攻卒。出版社、ソフトウェアメーカーなどを経て、中国語と英語での表現を学ぶ。カレン・チャン『わたしの香港』、ナタリー・リヴィングストン『ロスチャイルドの女たち』(ともに亜紀書房)の翻訳に協力。
福澤 由佑(ふくざわ・ゆうすけ)
ネイビーブルー株式会社・代表取締役社長。オランダ焙煎機メーカーGIESEN COFFEE ROASTERSの日本総代理店を務め、エスプレッソマシンなどのコーヒー機器で国内のロースターやカフェのサポートをおこなう。焙煎競技会「1ST CRACK COFFEE CHALLENGE」の企画・運営にも尽力している。
出版社 : 亜紀書房
発売日 : 2024/4/6
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 488ページ