黙って喋って
ヒコロヒー (著)
記憶の片隅にあった感情がじわっとあふれ出す。
ヒコロヒーがつづる短編恋愛小説集!
自分自身も未来も何も定まらなかった頃。見上げた曇り空のあの哀しさ、色っぽさを強く思い出しました。 吉本ばなな
それでも彼女たちは、届かないものに手を伸ばすのだろう
そして生きてゆくのだろう 西加奈子
友達以上恋人未満の彼に「あと十分一緒にいたい」とどうしても言えない甘酸っぱい瞬間、
「分かってる女」として振舞ってしまい同僚を貶める発言をたしなめられなかったもどかしさ、既婚者である彼の妻との会話に覚える苛立ち……。
感情がほとばしって言い過ぎた言葉、平気をよそおって言えなかった言葉。
「もう黙って」「もっと喋って」と思わずにはいられない、もどかしくて愛おしい掌編18本。
【目次】
「ばかだねえ」
「あと十分だけ」
「覚えてないならいいんだよ」
「しらん」
「俺が福岡行って、せいせいした?」
「ねえ由莉ちゃん」
「翠さんの靴、それ汚すぎるやろ」
「かわいいなあ、女の子って感じ」
「好きな人ができた、ごめん」
「普通に生きてきて優と出会ったんだもん」
「克則さんって昔からそうなの」
「ごめん、疲れた」
「紙ストローって誰のために存在してんの」
「大野」
「朝美ちゃん、ハワイ、行こうか」
「春香、それで良いのね」
「問題なかったように思いますと」
「黒じゃなくて青なんだね」
あとがき
出版社 : 朝日新聞出版 (2024/1/31)
発売日 : 2024/1/31
言語 : 日本語
単行本 : 256ページ