コンヴァージェンス・カルチャー:ファンとメディアが作る参加型文化
H・ジェンキンズ=著、渡部宏樹・北村紗衣・阿部康人=訳
ファン文化を語るうえで欠かせない、「コンヴァージェンス」とは何か?――
オードリー・タン氏、推薦!
メディア論・ファンダム研究の名著、待望の邦訳!
『サバイバー』、『アメリカン・アイドル』、『マトリックス』、『スター・ウォーズ』、『ハリー・ポッター』……世界的ヒットを記録したエンターテインメントは、多くのファンたちが積極的に参加することで熱狂の渦が生まれた。
映画やアニメ、ゲーム、コミックなど多岐にわたるメディア・プラットフォームのもとに、ポップカルチャーのファンたちは集まり、コミュニティをつくる。そこは新しい知識が生み出され、主体的な参加が促される創造的な場である。もはやメディア産業もファンダムを無視してコンテンツをつくることはできない。
本書は、メディア研究の第一人者が、<コンヴァージェンス>の理論をもちいてトランスメディアの複雑な関係を読みとく古典的名著。ファンと産業界が衝突しながらもともに切りひらいてきた豊かな物語世界の軌跡をたどり、参加型文化にこれからの市民社会を築く可能性を見出す。
もう消費するだけでは満足できないファンたちは、どこへ向かうのか? 企業を揺さぶり、社会をも変えてきた、ポップカルチャーの力を探る
【目次より】
イントロダクション
「コンヴァージェンスの祭壇で祈ろう」
──メディアの変容を理解するための新しいパラダイム
第1章
『サバイバー』のネタバレ
──知識コミュニティの解剖学
第2章
『アメリカン・アイドル』を買うこと
──私たちはリアリティ番組でどのように売られるか
第3章
折り紙ユニコーンを探して
──『マトリックス』とトランスメディアのストーリーテリング
第4章
クエンティン・タランティーノの『スター・ウォーズ』?
──草の根の創造性とメディア産業の出会い
第5章
どうしてヘザーは書けるのか
──メディアリテラシーとハリー・ポッター戦争
第6章
民主主義のためのフォトショップ
──政治とポップカルチャーの新しい関係
結論
テレビを民主化する? ──参加の政治学
あとがき──YouTube時代の政治を振り返る
著者について
著者について
ヘンリー・ジェンキンズ[Henry Jenkins]
南カリフォルニア大学教授。コミュニケーション&ジャーナリズム研究科、
映画芸術研究科、ならびに教育研究科で、デジタル時代の参加型文化やファンダム、
若者教育などを教えている。同校着任以前はマサチューセッツ工科大学(MIT)にて
比較メディア研究プログラムを立ち上げ、ディレクターを長らく務めた。
著書にTextual Poachers: Television Fans and Participatory Culture、Comics and Stuff 、
共著にParticipatory Culture in a Networked Eraなどがある。
訳者について
渡部宏樹[わたべ・こうき]
筑波大学人文社会系助教、エジプト日本科学技術大学客員助教。
北村紗衣[きたむら・さえ]
武蔵大学人文学部英語英米文化学科准教授。
著書に『シェイクスピア劇を楽しんだ女性たち』(白水社)、
『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』(書肆侃侃房)など。
阿部康人[あべ・やすひと]
駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部グローバル・メディア学科講師。
出版社 : 晶文社
発売日 : 2021/2/2
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 556ページ
ISBN-10 : 4794972482
ISBN-13 : 978-4794972484
寸法 : 21 x 14.8 x 3.2 cm