増補版 大人のための国語ゼミ
野矢 茂樹 (著)
いま、私たちは、どんな力を身につけなければならないのか。
それが国語の力だとしたら、どんなトレーニングをすれば、
その力を身につけることができるのか。
あらゆる世代から支持をうけた実践の書が、
さらに磨き上げられ、エッセイと対談も加えて、増補版として再登場しました。
ビジネスや学校生活の実際の場面では、
きちんと相手に伝えるべきことを伝え、
相手の発言をきちんと理解しなくてはなりません。
なんとなくわかった、だけでは、すまされない、
そんな場面の連続です。
ひとりよがりも×。
人の意見に引き回されて自分の意見が言えないのも×。
できれば、質問だって反論だってできるようになりたい!
こうした現実という荒海で出会う難問にも立ち向かうために、
まずはプールでの練習するようにトレーニングを続ける。
たとえば、
事実の多面性、事実・推測・意見の区別、接続詞の使い方
文章の幹と枝葉を分け、大切なことを見抜く要約の力
強い根拠と弱い根拠の区別、
的確な質問をするための補助線のひきかた、
反論するために論証の構造を見抜く力
言葉は頭で分かっているだけでは意味がありません。
習得すべき技術を繰り返し練習し、
ステップアップしていくことが大切。
大変だけど続けよう! 国語の力を確実に身につけよう!
そのために、楽しく続けられるように工夫をしました。
具体的には、面白い情報、興味深い内容を著者が選び抜いて、
それを問題文の形に仕立て直しています。
次々と繰り出される問題に取り組みながら、
へぇそうだったんだ……なんていう知識にも出会います。
イラストは『それゆけ! 論理さん』のあの高校生たち。
問題が難しくて、ううとうつむきそうなときであっても、
くすっと笑いながら、
もう一度前を向いてチャレンジできるはず!
国語ゼミ、さあ、あなたもはじめてみませんか。
【目次】
1 相手のことを考える
2 事実なのか考えなのか
3 言いたいことを整理する
4 きちんとつなげる
5 文章の幹を捉える
6 そう主張する根拠は何か
7 的確な質問をする
8 反論する
付録
著者について
1954年(昭和29年)東京都に生まれる。85年東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院教授を経て、現在、立正大学文学部教授。専攻は哲学。著書に、『論理学』(東京大学出版会)、『心と他者』(勁草書房/中公文庫)、『哲学の謎』『無限論の教室』(講談社現代新書)、『新版論理トレーニング』『論理トレーニング101題』『他者の声 実在の声』(産業図書)、『哲学・航海日誌』(春秋社/中公文庫、全二巻)、『はじめて考えるときのように』(PHP文庫)、『ウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』を読む』(哲学書房/ちくま学芸文庫)、『同一性・変化・時間』(哲学書房)、『ここにないもの――新哲学対話』(大和書房/中公文庫)、『入門!論理学』(中公新書)、『子どもの難問――哲学者の先生、教えてください!』(中央公論新社、編著)、『大森荘蔵――哲学の見本』(講談社学術文庫)、『語りえぬものを語る』『哲学な日々』『心という難問――空間・身体・意味』(講談社)などがある。訳書にウィトゲンシュタイン『論理哲学論考』(岩波文庫)、A・アンブローズ『ウィトゲンシュタインの講義』(講談社学術文庫)など。
出版社 : 筑摩書房; 増補版
発売日 : 2018/10/5
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 317ページ
ISBN-10 : 4480816801
ISBN-13 : 978-4480816801
寸法 : 13.3 x 2.3 x 18.9 cm