人のさいご
尾山直子(文)水上多摩江(イラスト)
人のさいごに訪れる、自然な変化。
やさしく、ていねいに、
目を逸らさず綴った小さな本。
この本は、「人のいのちがどう閉じられていくのか」という自然な変化について、当事者である本人を含む、あらゆる人が読むことができるように、言葉を選び、丁寧に綴った本です。
日々看取りに向き合う在宅医療・ケア関係者が、患者さん方から実際に「人は死ぬときにどう変化していくのか」と問われてきた経験からうまれました。
前もってこの知識に触れておくことが、きっと大切な人と過ごす時間をかげがえのないものにしてくれる。わたしたちは、そう願っています。
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制作のきっかけ
「人のさいご」は、当事者である本人を含む、あらゆる人が読むことを前提として書かれた本です。この本は、看取りの場で出逢った人々から実際に「人は死ぬ時にどう変化していくのか」と問われてきた経験からうまれました。自分のいのちが閉じられていくことに気づいたとき、自らに訪れる変化を知っておきたいと願う人が多くいるのです。
理由はさまざまですが、「どうなっていくのかを知っておくことで、自分らしく人生を閉じる準備をしたい」と話す人が多く、わたしたちは尊敬の念を抱きながらその望みに向き合い、「人のさいごの変化」について口頭で説明をしてきました。
かつて人々は、病院ではなく家で死を迎えていました。「いのちを閉じていく」という営みは、暮らしのなかにあったのです。対して現代は8割近くの人が病院や施設で死を迎えており、人がどのように老い、どのようにいのちを閉じていくのかという自然な経過を、暮らしのなかで学ぶことが難しい現状があります。
この本の原稿が書きあがったとき、実際に患者さん方に読んでいただき多くの助言を得ました。印象的だったのは、この本について「いざというときよりも、もっと早く、子どものうちからでも読んでおいたほうがいい」という言葉が度々聞かれたことです。
人のいのちがどう閉じられていくのか、前もってその知識に触れておくことが、きっと大切な人と過ごす時間をかけがえのないものにしてくれる。わたしたちは、そう願ってやみません。
発行年:2024年6月
発行:医療法人社団プラタナス 桜新町アーバンクリニック
デザイン:本田篤司
イラスト:水上多摩江
文 :尾山直子
校正 :浅野千恵
企画・制作:
桜新町アーバンクリニック在宅医療部/桜新町ナースケア・ステーション
國居早苗(訪問看護認定看護師)
林瞳(緩和ケア認定看護師)
尾山直子(訪問看護師/進行・編集)
株式会社メディヴァ
神野真実(ディレクション・編集)
印刷・製本:株式会社サンエムカラー
販売元:医療法人社団プラタナス桜新町アーバンクリニック、一般社団法人コミュニティ&コミュニティホスピタル協会