文学は予言する (新潮選書)

鴻巣友季子 (著)

小説から見通す世界の「未来」とは――圧倒的な文学案内

トランプ政権誕生で再びブームとなったディストピア小説、
ギリシャ神話から18世紀の「少女小説」まで共通する性加害の構造、
英語一強主義を揺るがす最新の翻訳論――
カズオ・イシグロ、アトウッドから村田沙耶香、多和田葉子まで、危機の時代を映し出す世界文学の最前線を、数々の名作を手がける翻訳家が読み解く。

「次に読みたい小説」が見つかる、“最新の世界文学地図”

〔本書で紹介するおもな作家とキーワード〕

「ディストピア」……マーガレット・アトウッド、村田沙耶香、小川洋子、J.M.クッツェー、カズオ・イシグロ etc.
(メリトクラシー、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ、ポストヒューマニズム、キャンセル・カルチャー)

「ウーマンフッド」……ヴァージニア・ウルフ、桐野夏生、川上未映子 etc.
(精神的吸血、シスターフッド、ルッキズム、ケア労働)

「他者」……アマンダ・ゴーマン、多和田葉子、奥泉光 etc.
(当事者表象、スポークンワード、英語帝国主義、生まれつき翻訳小説、アテンション・エコノミー)


【目次】

はじめに

第一章 ディストピア
1 抑圧された世界――ディストピア小説のいま
2 『侍女の物語』の描く危機は三十五年かけて発見された
3 大きな読みの転換――『侍女の物語』と『密やかな結晶』
4 拡張する「人間」の先に――ポストヒューマニズムとAI小説
5 成功物語の限界――メリトクラシー(能力成果主義)という暗黒郷
6 もはやリアリズムとなったディストピア

第二章 ウーマンフッド
1 舌を抜かれる女たち
2 男性の名声の陰で
3 シスターフッドのいま
4 雄々しい少女たちの冒険
5 からだとケア労働
6 文学における女性たちの声

第三章 他者
1 原作者と翻訳者の無視できないパワーバランス
2 パンデミックの世界に響く詩の言葉
3 リーダーの雄弁術
4 盛りあがる古典の語り直し
5 ますます翻訳される世界――異言語と他者性のいま
6 多言語の谷間に――多和田葉子
7 日本語の来た道――奥泉光
8 小説、この最も甚だしい錯覚
9 アテンション・エコノミーからの脱却――それは他者と出会うこと

おわりに

著者について
鴻巣友季子(こうのす・ゆきこ)
1963年東京生まれ。翻訳家、文芸評論家。訳書にJ・M・クッツェー『恥辱』(ハヤカワepi文庫)、M・アトウッド『誓願』(早川書房)、A・ゴーマン『わたしたちの登る丘』(文春文庫)等多数。E・ブロンテ『嵐が丘』(新潮文庫)、M・ミッチェル『風と共に去りぬ』(全5巻、同)、V・ウルフ『灯台へ』(『世界文学全集 2-01』収録、河出書房新社)等の古典新訳も手がける。著書に『明治大正 翻訳ワンダーランド』(新潮新書)、『翻訳教室』(ちくま文庫)、『謎とき『風と共に去りぬ』』(新潮選書)、『翻訳、一期一会』(左右社)等多数。

出版社 ‏ : ‎ 新潮社 (2022/12/21)
発売日 ‏ : ‎ 2022/12/21
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 304ページ

¥1,760

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