ロゴスと巻貝
小津夜景 (著)
山本貴光さん(文筆家・ゲーム作家)推薦
細切れに、駆け足で、何度でも、這うように、
本がなくても、わからなくても――
読書とはこんなにも自由なのですね、小津さん
注目の俳人小津夜景さんは、選び取る言葉の瑞々しさやその博識さが魅力。これまでの人生と本の記憶を、芳醇な言葉の群で紡ぎ合わせる、過去と現在、本と日常、本の読み方と人との交際など、ざっくばらんに綴った40篇です。
小津さんの本との付き合いは自由。流行りの本や気に入った著者にのみ傾倒するのではなく、時にそのときどきの境遇で出会った本に身をまかせ、時にその本の味を咀嚼できるまで何度も開くこともする方です。
単なる読書エッセイではなく、本から生活の記憶を手繰り寄せ、当時の心情を豊かな語彙で結びつける、これまでの苦い生活の記憶も美化せずに切り取る潔さもある、小津さんだからこその言葉が詰まったエッセイ。松岡正剛氏、池澤夏樹氏、谷川俊太郎氏という読書家が注目する俳人の、言葉と想像の糸の紡ぎ方が魅力の一冊です。
著者について
小津夜景(おづ・やけい)
1973年北海道の生まれ。俳人。2000年よりフランス在住
2013年「出アバラヤ記」で攝津幸彦記念賞準賞
2017年『フラワーズ・カンフー』(2016年、ふらんす堂)で田中裕明賞
2018年『カモメの日の読書 漢詩と暮らす』(東京四季出版)
2020年『いつかたこぶねになる日 漢詩の手帖』(素粒社)
2022年『なしのたわむれ 古典と古楽をめぐる手紙』(素粒社)共著
2022年『花と夜盗』(書肆侃侃房)
2023年11月『いつかたこぶねになる日』(新潮文庫)
出版社 : アノニマ・スタジオ
発売日 : 2024/1/9
ハードカバー : 256ページ