格差と分断の社会地図 16歳からの〈日本のリアル〉
石井 光太 (著)
気鋭のノンフィクション作家による、貧困と格差の連鎖が引き起こす「分断」をめぐる7つの講義。
■おでんの食べ方を知らない子どもたち?
〜〈生まれ育ち〉が一生を決める社会の構造とその抜け出し方〜
──あなたはどちらの階層に生きていますか?
そして、自分の属していない階層のことを、知っていますか?
【格差の下側の階層】
・家族で鍋を囲んだ経験がなく、おでんの食べ方がわからない
・親が貧困状態にあって、進学の機会が与えられない
・軽度の知的障害のケアが受けられず、社会に居場所がない
・通う学校がない「不就学状態」にあって、友達もいない。勉強の機会もない
【格差の上側の階層】
・早ければ小学校、遅くとも高校から私立校や地域の進学校へ。
同級生もみんな親が裕福な中流以上の出身。
・発達障害などの兆候があれば、親や療育などのケアを受けられる。
・「努力すれば夢は叶う」と教えられ、実際、その通りに生きられる
■貧困・格差取材のプロが見た格差の拡大・階層の断絶・引き起こされる分断
著者は世界と日本の貧困、格差の取材を重ねているノンフィクション作家。
格差と分断の真実を、講演を通して10代・20代の学生に伝える活動もしています。
なぜなら、無理解の先にあるのは「分断」だから。
格差が拡大し、階層の断絶が深まっているからこそ、
私たちはいま、「自分とは違う階層」の現実を知る必要があるのです。
本書では、著者がこれまで若者に伝えてきた内容をもとに、
1教育 2職業 3性別 4夜の仕事と昼の仕事5外国人 6障害者 7若者と老人
という7つの格差構造とひき起こされつつある分断を具体的に紹介します。
「知っている」と思っている人ほど知らない「日本社会の問題点」、
そして我々がいま、何をすべきかが見えてきます。
著者について
石井 光太(いしい こうた)
1977(昭和52)年、東京生まれ。国内外の貧困、児童問題、事件、歴史などをテーマに取材、執筆活動を行なっている。
ノンフィクション作品に『絶対貧困』『遺体』『浮浪児1945-』『「鬼畜」の家』『43回の殺意』(以上、新潮社)、『物乞う仏陀』『神の棄てた裸体』『本当の貧困の話をしよう』(以上、文藝春秋社)、『人生の歩きかた図鑑』(日本実業出版社)など多数。また、小説や児童書も手掛けている。
出版社 : 日本実業出版社
発売日 : 2021/8/28
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 352ページ
寸法 : 13.1 x 2 x 18.8 cm