色と形のずっと手前で

長嶋りかこ(著)

グラフィックデザイナーが母になったら、色と形に辿りつかない日々が始まった。妊娠してお腹が大きくなり、のそのそと歩まねばならぬ体に変化していく中で見えてきたのは、ままならない体と足並みの揃わない社会だった。育児が始まると目の前に立ちはだかる仕事と育児の両立という壁。人々の暮らしと地続きであるはずのデザインの仕事と、目の前の家事育児という暮らしの相性の悪さ。子どもの時間と、仕事の時間。子どもを通して見ている世界と、仕事を通して見えている世界。混沌とした曲線の世界と、秩序だった直線の世界。二つの間で立ち往生しながら見えてきたのは、資本主義のレースと止まらぬ環境破壊とジェンダー不平等が一つの輪をなしている景色。そして子どもが手をひいて連れて行ってくれる、土の匂いがする景色。かつて自分も知っていた、あの曲線の景色。(長嶋さんのインスタより)
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-目次-
想定外の曲線
四角くて軽くて早い まあるくて重くて遅い
期待される自然な形
産まれたての赤
混乱の白い血
見えない仕事 見えない性
母のグラデーション
変形するひと 変形しないひと
命の結び目
色と形

著者について
1980年生まれ。
武蔵野美術大学卒。2014年からvillage®主宰。
既存の視点への問いや価値転換への気付きへの貢献をめざし、対象の思想の仲介となり、 VI計画、エディトリアルデザイン、サイン計画などの知覚情報をデザインする。
また人間と自然の関係や、自然物としての人間本来の心のありようをテーマにし様々な媒体で提示する"Human_Nature"という活動を不定期で展開する。
これまでの仕事に、"都市と自然"をテーマに掲げた坂本龍一氏による「札幌国際芸術祭2014」、 全盲の主人公の映画製作を追うドキュメント映画「ナイトクルージング」、 被災県の子供達で編成された「東北ユースオーケストラ」、 現代美術家アニッシュカプーアの展覧会「アニッシュカプーアの崩壊概論」、 建築家集団ASSEMBLEの展覧会、現代美術家宮島達男氏との核を問う共作「PEACE SHADOW PROJECT」、 反原発運動でのライブ音源「YELLOW MAGIC ORCHESTRA / NO NUKES 2012」のジャケットデザインなどがある。
rikako-nagashima.com

村畑出版
128mm×188mm
240ページ

#長嶋りかこ
#rikakonagashima
#色と形のずっと手前で

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