【店主夫婦の日記】甘くないパリ生活日記 1999秋-2000春
※日本赤十字社を通じて能登の災害義援金に売上1冊につき
100円寄付いたします。
本と羊の店主と副店主のパリでの半年間の生活日記です。
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「夫婦の記憶」
1999年。今から25年前。
ヒロシ34才。ミキ33才。結婚4年目。(ただし事実婚)
一度旅行で訪れたことのある、フランスのパリで少しの間、
生活してみようと決意しました。
ダンナは春に、カミさんは秋に、それぞれの会社を退職しました。
10月20日(水)成田からクアラルンプール経由でフランスへ。
日本ではようやくISDNが普及し始めた頃でした。
フランスではインターネットを使用するには、電話回線からケーブルで
パソコンに直接つなげてアクセスしなければなりませんでした。
Wi -FIや無線LANなどあるはずもなく不便な環境でした。
情報は今よりもかなり乏しく、グーグルはまだ浸透しておらず、
ヤフーサイトからネットサーフィンを始めるのが主流の頃でした。
ノートパソコンは発売されたばかりの初代iBook。
通貨はフラン。1フランが17・5円(99年10月当時)。
ユーロ通貨など想像もしていなかった。
フランスには日本人観光客が押し寄せ、ブランドを買い漁っていました。
サンジェルマン大通りにあるルイ・ヴィトンは入場規制をかけるほどでした。
そんな時代にフランス語はおろか、英語もままならぬ夫婦が
わずかな貯金だけで渡仏するのはかなり無謀でした。
最初は18区にあるホテルの部屋を借り、住むところを探し、
ようやく1ヶ月半後に16区にある古いアパルトマンの部屋を借りる事が出来ました。
フランス語の語学学校に通いながら、テレビもない、
すきま風の入る、おんぼろのアパルトマンの一室で、貧弱なヒーター
1台で、靴下を重ね履きしながら寒い冬を乗り切り、
暖かい春の訪れまでを過ごしたパリでの半年間を記録した、
初めての外国生活のウェブ日記です。
おしゃれな生活などとはほど遠い、
ひたすら貯金を切り崩してのビンボー生活の記録です。
オモテとウラの日記があり、ダンナのオモテ日記( 建前)と
カミさんのウラ日記( 本音)の二部構成日記になっています。
あれから24年が経ちました。もう遠い昔の記憶、本当に現実だったのか。
日記を綴っていたウェブサイトはもうありません。紙に記憶を残します。
ここに、登場する全ての人たちに感謝します。
あの場所で知り合った懐かしい人々に思いを馳せて・・・。
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ヒロシ
本と羊 店主 1964年生まれ 大分県出身 福岡県在住
FARMFIRM DESIGN 主宰
アートディレクター / グラフィックデザイナー
ミキ
本と羊 副店主 1966年生まれ 福岡県出身 福岡県在住
アートディレクター / グラフィックデザイナー
2018年秋 夫婦で「本と羊」として活動開始
2019年4月〜7月 東京月島にて週末だけの古本屋を試験営業
2019年11月 福岡市内ブックオカのきさき古本市に出店
2020年夏 福岡市六本松四丁目で実店舗「BOOKSHOP 本と羊&FARMFIRMDESIGN」開店
現在に至る
ヒロシとミキの甘くないパリ生活日記 1999秋−2000春(再改訂版)
2019年12月20日 初版
2020年7月20日 第2版
2024年12月1日 第3版
著者・デザイン・発行 ファームファームデザイン
A5サイズ
本文92頁