ヘルシンキ 生活の練習 (単行本)

朴 沙羅 (著)

二人の小さな子どもと海を渡った社会学者による、フィンランドからの現地レポート。

私も、この本を片手に戦える――上間陽子さん(教育学者)

今読んでいる本に出てくる、フィンランドの保育園の話が面白い。「思いやりや根気や好奇心や感受性」などを徹底的に「練習」できる「技術」と考える。また「友達だから一緒に遊べるのではなくて、一緒に遊ぶ人を(そのとき、その場で)友達と呼ぶ」。個人の性格や性質と考えられがちなものを、社会を生き抜くためのスキルと割り切るドライな発想。「これらのスキルはすべて、一歳から死ぬまで練習できることですよ」という保育園の先生の言葉。うちでいえば、今おチビは叩かないで感情表現する技術を、そして私自身は、母親として冷静に対応する技術の練習中なのだ。と思うと、少し気が楽になる。――もしこぴさん(読者)

日本で生きる若い女性として、勇気をもらった本でした。自分の裏には親、祖父母、さらに上の先祖の思いや努力があったこと、それを忘れてはいけないことを凄く実感させられて涙が止まりませんでした。また、社会学を専攻しているため、女性文系研究者としての生き方としてロールモデルが出来ました。――なっちゃんさん(読者)

子育て中の母親として、目から鱗が落ちました。自分では体験できないフィンランドの子育てからたくさんのヒントを貰えました。言うことを聞いてくれない我が子には、まだ技術が足りないのね、と客観的に思えるようになりました。――かおりさん(読者)


フィンランド(に限らず、北欧)は理想郷のように描かれるときがある。かと思うと、そんなことはないのだ、これがフィンランド(と北欧)の真実だ、と悪い情報を流す言説を見ることもある。
でもたぶん、それはどちらも正確ではない。フィンランドは理想郷でもないし、とんでもなくひどいところでもない。単に違うだけだ。その違いに驚くたびに、私は、自分たちが抱いている思い込みに気がつく。それに気がつくのが、今のところは楽しい。
(「4 技術の問題――保育園での教育・その2」より)

【目次】
はじめに
1 未知の旅へ――ヘルシンキ到着
2 VIP待遇――非常事態宣言下の生活と保育園
コラム1 ヘルシンキ市の公共交通機関と子ども車両
3 畑の真ん中――保育園での教育・その1
4 技術の問題――保育園での教育・その2
5 母親をする――子育て支援と母性
コラム2 社会とクラブと習い事
6 「いい学校」――小学校の入学手続き
7 チャイコフスキーと博物館――日本とフィンランドの戦争認識
コラム3 マイナンバーと国家への信頼
8 ロシア人――移民・移住とフィンランド
コラム4 小学校入学
おわりに


著者について
1984年生まれ。専門は社会学、移民研究。ヘルシンキ大学文学部文化学科講師。単著に『家(チベ)の歴史を書く』(筑摩書房)、『外国人をつくりだす――戦後日本における「密航」と入国管理制度の運用』(ナカニシヤ出版)、編著に『最強の社会調査入門』(ナカニシヤ出版)など。

出版社 ‏ : ‎ 筑摩書房
発売日 ‏ : ‎ 2021/11/16
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 288ページ
寸法 ‏ : ‎ 13.2 x 2.1 x 18.8 cm

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