会社はあなたを育ててくれない~「機会」と「時間」をつくり出す働きかたのデザイン
古屋星斗 (著)
“会社は育ててくれない”時代のなかで、成長の「機会」と「時間」を自らつくり出す
「働きかたのデザイン」の入門書。
▼目次
はじめに ー変わってしまった世界で
Chapter1 会社はあなたを育ててくれない
「素人をイチから育てる」はイノベーションだった/二つの転機、「就職難」と「ブラック企業」/可視化された「働きやすさ」/ゆるい職場の登場/もはや別の国/「ゆるい若者」という幻想/仕事観は多様化している/食い違う、時間の余白と心の余白/では、誰が育ててくれるのか
Chapter2 「選択できる」ことは幸か不幸か
日本の働きかたのデザインを変えた2冊/選択のタイミングは何回あるのか/「退職という選択」の肯定/選択回数が増えることの意味:①選択のタイミングの早期化 ②選択権の問題 ③サバイブによる満足感 ④運の要素の低下/「選択」はいつ来るか/運の要素の低下とその残酷さ/「知人に差をつけられる」不安/「新しい安定志向」の登場
▼Chapter3 自分らしさと成長を両立するために
矛盾する二つの気持ちの共生関係/「ありのまま」と「なにものか」のグラデーション/矛盾するあり方、それぞれに必要なもの/「なにものか」になるために必要なもの:①職場の心理的安全性 ②職場のキャリア安全性 ③仕事の質歴な負荷/「ありのまま」でいるために必要なもの:①フィットした労働環境 ②ライフキャリアへの支援 ③相互理解
▼Chapter4 三年いても温まらない
1万時間の法則と最低必要努力量/「1万時間」の意味が変わった/崩壊した「石の上にも三年」/新しい働きかたへのクエスチョン
▼Chapter5 巨人の肩の上に乗る
巨人たちのキャリア理論: 特性因子理論 -マッチングの問題 ライフキャリア・レインボー -人生は本業の仕事だけではない キャリア・アンカー -自分にとって本当に大切なもの 4S -変わることを活かす/近年のキャリア理論 プロテアン・キャリア -強さとは変われること キャリア・ドリフト -まわりに流されることの意味 計画的偶発性理論 -きっかけを逃さないために サステナブル・キャリア -未来のために、過去をデザインする 越境学習論 -ホームとアウェイを往復する/環境に応じてキャリア理論が生まれる
▼Chapter6 スモールステップを刻む
かみなりがこわくなくなるかいだん/情報か、行動か/「情報だけ」より「行動だけ」/普通にしていたら行動も情報も減っていく/スモールステップの発見/「やりたいこと探し」より大切なこと/小さな行動が持つ大きな意味/五つの小さな行動 ①自分のやりたいことをアウトプットしてみる ②背中を押してもらい、パワーをもらう ③目的を持って探ってみる ④試しにやってみる ⑤体験を自分のものにする/意味づけ/「言い訳」から始めてみる/まず「探索者」になる
▼Chapter7 「キャンペーン」の集合でつくる
ライフキャリアの全体と部分/キャリアは同時並行につくられる/キャリアの仮面/満足度とつながる「キャリアの仮面」スコア/「キャリアの仮面スコア」が高い人はどんな人?/仮面はあなたを後押しする/ポジティブ・スピルオーバー
▼Chapter8 “合理性”を超えるために
自律と熱意/キャリア自律の弱点/「仕事を楽しもうとするのはムダだ」/楽しまない者たち/「仕事はつらいもの」は悪ではない/「楽しめるか」と成果は別/逆説的成果主義?/熱意とパフォーマンス、そのいくつかのタイプ/キャリア自律にひとつまみ加える
▼Chapter9 「組織との新しい関係」を築く
「育てると辞めてしまう」という根源的恐怖/会社とゆるくつながる/徐々にシフトするという個人の戦略/コミットメントシフトの知られざるメリット/外を見るほど、自社が好きになる/ライフスパン・コミットメント/組織と対話する/「なぜ、今の会社を辞めないのか」/辞めない理由の稀少性
▼Chapter10 「新しい安定」を実現する働きかたのデザイン
新たな環境を活かす/2回目のイノベーション/「寄り道」と「近道」でつくる働きかたのデザイン/①寄り道 小さく、始める:スモールステップ ①―1 今の環境でできるアクションから ①―2 ゴールテープを張る ①―3 代理指標を見つける ①―4 情報を遮断する/スモールステップについての補足/②近道 同時並行でつくる:キャリア・キャンペーン ②―1 キャンペーンを(再)発見する ②―2 方針を決める ②―3 自分にとってのホームとアウェイを定義する/キャリア・キャンペーン論についての補足/③近道 意味づける:センシング ③―1 意味づけパートナーを(勝手に)アサインする ③―2 岡目八目/センシングについての補足:現在によって過去を変える/④寄り道 ずらしてつくる:コミットメントシフト ④―1 気持ち・時間・お金のポートフォリオをつくる ④―2 理想のポートフォリオをつくる ④―3 余白にスモールステップを組み込む/コミットメントシフトについての補足/良い方向に変化しているか確認するチェックポイント:チェックポイント① 言い訳資本ができたか チェックポイント② 共感と違和感 チェックポイント③ 不安や焦りを適度に感じたか チェックポイント④ 焦りを感じる対象/「選択×ゆるい職場」時代の働きかたのデザイン
著者について
リクルートワークス研究所主任研究員。2011年一橋大学大学院社会学研究科修了。同年、経済産業省に入省。産業人材政策、投資ファンド創設、福島の復興・避難者の生活支援、政府成長戦略策定に携わる。17年より現職。労働供給制約をテーマとする2040年の未来予測や、次世代社会のキャリア形成を研究する。一般社団法人スクール・トゥ・ワーク代表理事。法政大学キャリアデザイン学部兼任教員。著書に『ゆるい職場――若者の不安の知られざる理由』(中央公論新社)、『なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか』(日本経済新聞出版)など
出版社 : 大和書房
発売日 : 2024/11/23
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 304ページ
寸法 : 18.8 x 13 x 1.8 cm