往復書簡 無目的な思索の応答

又吉直樹 (著), 武田砂鉄 (著)

「ここでしか書けない」
言葉の在庫を放出した。

言葉の世界にそれぞれ立ち向かう同年代の作家が、
一年半にわたって新聞上で交わした往復書簡。
それは、いわゆる「往復書簡」とはまったく異なる。
馴れ合いや戦略や俯瞰から遠く離れて、
記憶を掘り起こし、違和感を継ぎ足し、書くことについて考える。
流れから逸脱し、散らばった先でぶつかり合って、
思索が自由に泳いでいく。
「言葉への態度」をめぐる、個と個のあてどない応答の軌跡。
まえがき(武田砂鉄)とあとがき(又吉直樹)は書き下ろし。


「自分の名前で文章を書くということは、なにかを確定させるという意味において身体に文字を彫ることと似ている。
取り返しのつかないことになりかねないし、覚悟が必要な行為でもある」
……又吉直樹(あとがき)

「言葉を重ねていくと、意味が固まってくるものだけど、今回は、意味がただただ点在している感じが続き、生まれたり消えたりした。
それはもしかしたら、とても貴重なことだったのでは、と思っているのです」
……武田砂鉄(まえがき)


【本文より】

武田 極端な話をすると、ジャムの瓶を開けてもらったことで生まれた恋もあれば、ノリの瓶が開かなかったことで離縁を決めた事例もあるかもしれません。

又吉 たとえば、「流しそうめん」は考えようによってはわざわざいったん流すという無駄な行為でしかないのですが、でも楽しいんです。


武田 しょっぱい生姜焼きを「でしょー」と言われながら食べる。文章にもこういうことがあってもいいと思います。

又吉 僕自身、「世に迎合すると鈍る」などと思っていたのですが、「迎合」という認識が間違いで、起爆するための条件と捉えたらどうか?

著者について
又吉直樹(またよし・なおき)
1980年大阪府生まれ。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属のお笑い芸人。
2003年にコンビ「ピース」を結成。
2015年に「火花」で第153回芥川龍之介賞を受賞。
著書に『東京百景』(ヨシモトブックス)、『劇場』(新潮社)などがある。
現在、毎日新聞にて小説「人間」を連載中。

武田砂鉄(たけだ・さてつ)
1982年東京都生まれ。出版社勤務を経て、2014年よりライターに。
著書に『紋切型社会――言葉で固まる現代を解きほぐす』(朝日出版社、第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞受賞)、
『芸能人寛容論――テレビの中のわだかまり』(青弓社)、『コンプレックス文化論』(文藝春秋)、
『日本の気配』(晶文社)などがある。

出版社 ‏ : ‎ 朝日出版社
発売日 ‏ : ‎ 2019/3/20
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本 ‏ : ‎ 124ページ
寸法 ‏ : ‎ 13.5 x 1.6 x 18.5 cm

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