銀座(普及版)
版画:柳本 史
文:外間隆史
「わたしの眼に
目薬でも入れるみたいに
ハミングを刷り込むのよ」
ロングセラー『雨犬』の版画家・柳本 史と想像家・外間隆史とのコラボレーションによる新作。
柳本 史の新境地とも言える渾身の彫り下ろし多色刷り版画が言葉では触れられない感情をそっと描き出し、外間隆史の文章はまるで塵をあつめて音に変えていくように過ぎ去った時間を美しく拾い上げます。
舞台は、戦前から戦中にかけての銀座。
詩を綴りながら静かに暮らしていた純は、1945年の銀座空襲の直前、黒猫とともに忽然と姿を消します。
彼女の面影を追い続ける年老いた夫とその孫娘・野々による対話。ふたりのあいだに交わされる、過去と現在/言葉と沈黙の往復……。
初の試みとして英訳の掲載が実現。
松本清張、青山七恵、滝口悠生らの翻訳を手掛ける英国人翻訳家・ジェシー・カークウッドによることばの余白に詩が宿るような訳業は「日本語原文よりも感動する(外間談)」ほどの名訳。もうひとつの『G I N Z A』が息づいています。
柳本 史(やなぎもと ふみ)
大阪府藤井寺市に生まれる。武蔵野美術大学大学院 、彫刻コース卒業。小学生の時に毎日描き綴った観察日記が、絵を楽しむきっかけとなり、現在も尚、愛するものをもっと知りたくて絵を描き続ける。東京都郊外にて、家族・動物たちと共に暮らす。
外間 隆史(そとま たかふみ)
想像家。 Producer/Composer/Art Director/未明編集室。2021年、遊佐未森『潮騒』制作。’23年1月、版画家・柳本史との共著『雨犬』を刊行。’24年『 UTOUTO 柳本 史小版画集』刊行。
発行:8月15日
判型:B6変型(『雨犬』と同サイズ)
仕様:中綴じ(32P/オールカラー)+厚紙表紙+カバー(オビ)
版画:11点(表紙含む)
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