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置き配的
¥2,310
福尾 匠 (著) コロナ禍以降、社会は置き配的なものとなった―― 「紀伊國屋じんぶん大賞2025 読者と選ぶ人文書ベスト30」の1位に輝いた気鋭の批評家が放つ最初にして最高の2020年代社会批評! 群像連載の「言葉と物」を単行本化。酷薄な現代を生き抜くための必読書! 「外出を自粛し、Zoomで会議をし、外ではマスクを着け、ドアの前に荷物が置かれるのに気づくより早く、スマホで通知を受け取る。個々人の環境や選択とはべつに、そのような生活がある種の典型となった社会のなかで、何が抑圧され、何が新たな希望として開かれているのか。そうした観点から、人々のありうべきコミュニケーションのかたちを問うこと、それがこの本のテーマです。(中略) つまり、狭義の置き配が「届ける」ということの意味を変えたのだとすれば、置き配的なコミュニケーションにおいては「伝える」ということの意味が変わってしまったのだと言えます。そして現在、もっとも置き配的なコミュニケーションが幅を利かせている場所はSNS、とりわけツイッター(現X)でしょう。保守とリベラル、男性と女性、老人と若者、なんでもいいですが、読者のみなさんもいちどは、彼らの論争は本当に何かを論じ合っているのかと疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。 (中略)置き配的な社会を問うことは、書くことの意味を立ち上げなおすことにも直結するはずです。」(本文より) 著者について 一九九二年生まれ。哲学者、批評家。博士(学術)。『非美学――ジル・ドゥルーズの言葉と物』で紀伊國屋じんぶん大賞2025受賞。その他の著書に『ひとごと――クリティカル・エッセイズ』、『眼がスクリーンになるとき――ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』』、共訳書にアンヌ・ソヴァニャルグ『ドゥルーズと芸術』がある。 出版社 : 講談社 発売日 : 2025/11/20 言語 : 日本語 単行本 : 240ページ 寸法 : 13.1 x 2 x 18.8 cm
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文学は何の役に立つのか?
¥2,750
平野 啓一郎 (著) 文学は、私たちの人生や社会に対して、どんな意味があるのだろうか。人間の生を真摯に見つめ、現代の問題群に挑み続ける小説家が、文学の力を根源から問う。大江健三郎、瀬戸内寂聴ら、先人たちの文業にも触れながら、芸術や社会へと多岐にわたる自らの思考の軌跡をたどる。読者を新たな視座へと誘うエッセイ・批評集成。 目 次 Ⅰ 文学の現代性 文学は何の役に立つのか? 死までの遠近──ジョブズ、私の友人、ハイデッガー 初めてゲラを手にした時 予測不能な世界を生きるために──『本心』連載を終えて AIで亡き母を蘇らせたら また新たな基礎的教養書の登場 ──キャスリン・ペイジ・ハーデン『遺伝と平等──人生の成り行きは変えられる』 予期せぬことがなくなって──アンケート「予期せぬ笑い」 初めて真剣にワインを飲んだ日 傷ついた人間の痛みを語り抜く意志──ハン・ガン氏のノーベル賞受賞に寄せて 崩れ落ちてゆくような成熟──金原ひとみ『パリの砂漠、東京の蜃気楼』 “納得”することの他者性──遠野遥『改良』 奇妙な一年 作家と百年──『文藝春秋』創刊百周年に寄せて ゼロ年代のドストエフスキー 〈影響〉の構造化と愛──『白痴』(ドストエフスキー)を中心に 三島戯曲の世界──フランス語版三島由紀夫戯曲集Le Théâtre selon Mishimaに寄せて Ⅱ 過去との対話 個人と国家、そして諦念 鷗外の政治思想──『阿部一族』論 父子──古今名作散歩 体験、証言、記憶──成田龍一『「戦争経験」の戦後史』 恢復と自己貸与──ハン・ガン『すべての、白いものたちの』 事後的に発見され、新たな起点となる──私と安部公房 「日本」について質問された人──追悼 ドナルド・キーン 天性の人の語り手──瀬戸内寂聴さんのこと 瀬戸内文学の再評価に向けて──追悼 瀬戸内寂聴 「踏まえるべきもの」の絶えた時代に──追悼 古井由吉 大江以後も書き続けるということ──追悼 大江健三郎 戦後民主主義と文学 『オッペンハイマー』論──オッペンハイマーとクリストファー・ノーランの倫理 Ⅲ 文学と美 「国家」と「自然」 新しい辞書のための四つの言葉の定義──ことば、ぶんじん、カッコいい、あい メビウスの輪を歩く人間──写真と安部公房 二度目の「さようなら」はなかった 実在を追究しないことの自由 領域としての黒──ヴァロットンの木版画 ボードレールの女性観──その一元性と多元性 豊饒なるゲルハルト・リヒター展 愉しいル・コルビュジエ 音楽も環境次第 「手書き」の文字と毛筆 「報酬性」と「懲罰性」 特別付録──弔 辞 ドナルド・キーンさんへの弔辞 瀬戸内寂聴さんへの弔辞 大江健三郎さんへの弔辞 あとがき 著者について 平野啓一郎(ひらの・けいいちろう) 1975年、愛知県生まれ。北九州市出身。 1999年、京都大学法学部在学中に投稿した『日蝕』により芥川賞受賞。数々の作品を発表し、各国で翻訳が紹介されている。2020年からは芥川賞選考委員を務める。 主な著書は、小説では『葬送』『滴り落ちる時計たちの波紋』『決壊』(芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)『ドーン』(ドゥマゴ文学賞受賞)『空白を満たしなさい』『透明な迷宮』『マチネの終わりに』(渡辺淳一文学賞受賞)『ある男』(読売文学賞受賞)『本心』『富士山』等、評論・エッセイに『本の読み方 スロー・リーディングの実践』『小説の読み方』『私とは何か 「個人」から「分人」へ』『「生命力」の行方──変わりゆく世界と分人主義』『考える葦』『「カッコいい」とは何か』『死刑について』『三島由紀夫論』(小林秀雄賞受賞)等がある。 出版社 : 岩波書店 (2025/7/18) 発売日 : 2025/7/18 言語 : 日本語 単行本 : 344ページ ISBN-10 : 4000617079 ISBN-13 : 978-4000617079 寸法 : 3.01 x 12.9 x 18.8 cm
