柳本 史小版画集 UTOUTO(特典SKETCH BOOK付き)
いつからわたしはうとうとしてるのだろう?
版画家・柳本 史は、ぬくもりとひだまりを記憶の中から拾いあつめて暮らす作家である。現実(うつつ)では時にうとうとしながら、記憶世界でのまなざしはきわめて覚醒している。
本書は、家族やどうぶつたちとの生活と並行し、スケッチするように日々彫っては刷る小さな作品114点を採集した版画集。
巻頭口絵には柳本作品を語る上で欠かせないアンティーク・フレームによって額装された作品を7点掲載。
さらに、作家のアトリエや日常風景を写真家・清水はるみが収めたスナップショットや、自身による散文一編を添えた付録および詳細な作品リストを巻末に収録。
小部数でひっそりと作品集を発行してきた柳本 史はこれまで〝知る人ぞ知る〟版画作家だったが、個展では作品が常に完売。昨年あたりからInstagramを中心にその作風が世界中に拡散され、国内外を問わずフォロワー数が6万人に届く勢い(2024年現在)。こうした流れも受け、今回の版画集では作品名に英語を併記。
ささやかな記憶とぬくもりの断片が、かなしみにあふれるこの世界を少しづつ温めてくれることを祈って綴じられた一冊となっている。
柳本 史(やなぎもと ふみ)
大阪府藤井寺市に生まれる。武蔵野美術大学大学院 、彫刻コース卒業。小学生の時に毎日描き綴った観察日記が、絵を楽しむきっかけとなり、現在も尚、愛するものをもっと知りたくて絵を描き続ける。東京都郊外にて、家族・動物たちと共に暮らす。
著:柳本 史
発行:未明編集室
2024年4月1日
B6変型(130×180×22mm)
上製本/256頁