雨犬 A RAIN DOG
版画:柳本 史
文:外間隆史
影はもしかすると記憶に似ていないだろうか……
忘れたり、
思い出したり、
落ちていたり、
落としてしまったり。
あるいは
影は光のこどもで、
記憶は時間のこどもで、
それらは等しく、この世界の木霊(エコー)だ。
——影と記憶が似ていることについての覚書 より
ぼくは雨犬。やがてきみの影になる。
柳本 史の版画作品に着想を得た外間隆史が原案を書き、そこから膨大な数のスケッチが起こされ、物語が膨らみ、版画制作が開始された。絵本の、あたらしい形。
雨の日に拾われた老犬が、若きペンキ職人とニール・ヤングを聴きながらコーヒーを飲んで暮らすお話。
柳本 史(やなぎもと ふみ)
大阪府藤井寺市に生まれる。武蔵野美術大学大学院 、彫刻コース卒業。小学生の時に毎日描き綴った観察日記が、絵を楽しむきっかけとなり、現在も尚、愛するものをもっと知りたくて絵を描き続ける。東京都郊外にて、家族・動物たちと共に暮らす。
外間 隆史(そとま たかふみ)
想像家。 Producer/Composer/Art Director/未明編集室。2021年、遊佐未森『潮騒』制作。’23年1月、版画家・柳本史との共著『雨犬』を刊行。’24年『 UTOUTO 柳本 史小版画集』刊行。
発行所:未明編集室
刊行:2023年1月30日(2024年11月・4刷)
18×11.5cm/153頁