20代からの文章読解~人文学的思考を鍛える「読み方」10講
山野弘樹 (著)
「読む」ことに慣れないまま、ポイントだけつまみ食い。
ファストに、従属的に受信する快楽に身を任せてしまう。
…考えさせない時代に抗して、「批判的読解」をいかに取り戻すか?
注目の若き俊英が、深く精緻に書き尽くした本格的クリティカル・リーディング入門!
千葉雅也氏、推薦!
「誠実に読む。いま、時代に必要なのは、言葉に対して時間をとって向き合うことだと思う。本書は、いわば「誠実な読解力」のための優れたガイドである。」
【おもな内容】
・解釈とは、自ら問いを発することによって、主体的に文脈を整理・形成する作業
・筆者の主張を成り立たせる論理構造(A=B=C=D、ゆえにA=D)をクリアに取り出す
・筆者が提示する議論の根拠を問うことで、筆者の議論の「強み」と「弱み」を見定める
・筆者の視点(その本が提示している枠組み)に忠実に沿って、その本の内容を整理する
・「XをAとして見る」という認識に自動的に組み込まれた「としての構造」を疑う
・「人文学的思考」とは、人間の精神や世界の在り方の「可能性」を取り戻すための思考
対象を「読む」ことで得られたものから、自分の手で新しく問いを設定する。そこから生まれた思考で、世界に存在する視点を増やす――この時代に求められている、新しい「読む」力。
著者について
1994年、東京都生まれ。上智大学文学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科(超域文化科学専攻)博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会特別研究員DC1、および「東京大学 共生のための国際哲学研究センター」リサーチ・アシスタントなどを歴任。日本哲学会優秀論文賞、日仏哲学会若手研究者奨励賞などを受賞。専門は現代フランス哲学(特にポール・リクールの思想)およびVTuberの哲学研究。また哲学の意義と魅力を伝えるために、企業や市民向けの講演やワークショップもおこなっている。著書に『独学の思考法』(講談社現代新書)、『VTuberの哲学』(春秋社)、『VTuber学』(共編、岩波書店)がある。
出版社 : 大和書房
発売日 : 2025/8/22
言語 : 日本語
単行本 : 208ページ
寸法 : 21 x 14.8 x 1.5 cm