これからの友情(サイン本)
丸田洋渡 (著)
『これからの友情』は、2017年から2025年までに詠まれた数千首の短歌から500首を精選し、1ページに1首のみを配した一冊です。それぞれの短歌をじっくりと味わうとともに、全体でもひとつの作品として再構成しています。512頁におよぶ本文は布貼りの上製丸背本で綴じ、箔押しで美しく仕立てました。装画は福田利之、装丁は名久井直子が手がけています。
歌人・木下龍也氏 推薦
「何度読んでも計り知れないし、計り知れないことがうれしい。僕には到達し得ないであろう短歌の幅や奥深さをこれでもかと見せつけてくれたのが丸田さんだった。ナナロク社の歌集のラインナップに丸田洋渡さんが加わることを頼もしく、誇りに思う。」
本書より10首を紹介(500首収録)
葉桜へ光の賽が投げ込まれわたしは運でベンチに座った
貸看板に貸看板と書いてある 助手席のあなたは夢の中
藤が人語を初めて話すときそれは垂れるように不完全だった
薔薇と蜂/製氷室に蜂がいる/薔薇の溢れる製氷室に
あなたはあなた一人でもっているデパート 回転ドア回転ドア
幽霊が見える素質がきらめいて見える角砂糖の包装紙
拷問のテクニックは僕も知らない パスタをフォークの銀に巻きつける
読めば読むほどスピードアップする雪の密室とその密室論議
ふと 自分の気配がして振り返る 玄関が岬になっている
昼のバレエ教室と思ってくれたらいいから これからの友情は
著者について
丸田洋渡(まるた・よっと)
1998年生まれ。愛媛県出身。高校から俳句を、大学から短歌を創作。短歌ユニット「第三滑走路」参加、短詩系ウェブサイト「帚」運営。
出版社 : ナナロク社
発売日 : 2025/9/18
単行本 : 512ページ
寸法 : 11.8 x 3.2 x 18.2 cm