リミナルスペース 新しい恐怖の美学
ALT236(著)/佐野 ゆか(訳)
照明が点きっぱなしの廊下、誰もいないショッピングモール、記憶の中の学校。
「何も起こらないのに、なぜか怖い」──その感覚に名前を与えたのが“リミナルスペース”です。YouTubeで美学的ホラーを発信するALT236が、映画・建築・ネット文化を横断して解き明かす新しい恐怖論。
恐怖を娯楽としてではなく、「現実の隙間で揺らぐ心のかたち」として描く視点は圧巻。
静寂や空虚の中に“何かがいるような気配”を感じる方へ。
ページをめくるたびに、あなたの中の境界線が少しずつずれていきます。
“人の気配のない出入り口や階段、長い廊下、古びたホテルのロビー、無機質な地下鉄の駅――” こうした日常の裏側に潜む「リミナルスペース」。本書はその美学的ミームを、映画・ゲーム・建築・ネット文化など多角的に掘り下げ、私たちが無意識に感じている“境界としての恐怖”に言葉を与えます。非日常へと誘う“動かない世界”の中にこそ、思考と感情の裂け目があり、そこにこそ“恐怖と自在さ”が息づいているのだと気づかせてくれる一冊です。
著者について
ALT236(アルトニニサンロク)
YouTubeチャンネル「ALT236」を運営。映像と音響を用いてホラー・美学の構造を探究するクリエイターで、恐怖を引き起こす「場(space)」に注目する研究的視座を持つ。
佐野 ゆか(さの・ゆか)
東京大学文学部南欧語南欧文学専修課程卒、同大学院修了。翻訳者として活動し、美学・芸術書の日本語版制作を数多く手がける。
出版社:フィルムアート社
発売日:2025/9/26
言語:日本語
単行本(並製):192ページ
寸法:B5判変形(約25 × 18 cm)










