小泉八雲 「見えない日本」を見た人
著者:畑中 章宏(著)
明治時代、日本を旅した異邦人 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が見つめたのは、「目に見えないもの」と共に息づく日本人の暮らしでした。本書では、民俗学者である著者が、八雲の膨大な著作群を手がかりに、“130年前の日本”という静かな物語を紡ぎます。衣食住、信仰、死生観、そして風景。普段は見過ごしてしまう「何か」が、八雲の眼差しを通じて浮かび上がる瞬間、読み手はその透明な世界に気づかされます。日本文化の根幹を探る旅として、静かに深くおすすめしたい一冊です。
書籍概要
新聞記者として世界を歩いた八雲が、永住地として選んだ日本で記した随筆・紀行・評論から、日本人が慣れ親しんでいた「見えない存在」「伝承」「祭祀」との距離を探る。民俗学が体系化される前夜、日本における異邦人のまなざしと、日本人自身が忘れつつあった「日常」の構造を、章構成により解き明かしています。
著者について
畑中 章宏(はたなか・あきひろ)
1962年大阪府生まれ。民俗学者。近畿大学法学部卒業。災害伝承や民間信仰、日本近代の民俗変容など幅広く研究。主な著書に『今を生きる思想 宮本常一』など。
書誌情報
出版社:光文社
発売日:2025/9/18
言語:日本語
単行本(新書):235ページ
寸法:18.0 × 11.0 × 1.5 cm


