マンガはうたう ―なぜ平面から音が聞こえてくるのか―
著者:細馬宏通(著)
書店でマンガを手に取るたびに、ふと「声」や「リズム」が生まれる瞬間を感じませんか?本書はその「マンガの隙間」から響く“うた”に耳を澄ませ、平面に刻まれた音の振動を丁寧に読解します。読み進めるほどに、1コマ1コマの配置、吹き出しの形、線の勢いが奏でるメロディのような構造に気づき、このジャンルがただ“読む”ものではなく“聴く”ものでもあったことに気づかせてくれます。マンガ好きはもちろん、表現の身体的な響きに惹かれる方にも響く、知性と感性を揺さぶる一冊です。
書籍概要
本書では、『ちいかわ』の繊細な音楽性、『もーれつア太郎』の替え歌的構造、高野文子や松本大洋ら異なる時代・作風のマンガを通して、「マンガはうたう」という視点を体系化。コマ間や吹き出し、書き文字、そして動作の線までもが“声”を響かせていると捉え、マンガの読み方・聴き方を新たに提示します。芸術・美学・マンガ表現を横断する批評として、読者に「平面なのに音が聞こえる」経験を届ける一冊です。
著者について
細馬 宏通(ほそま・ひろみち)
1960年生まれ。行動学者・早稲田大学文化構想学部教授。著書に『フキダシ論』『うたのしくみ 増補完全版』など、マンガ・音楽・身体表現を横断する研究を数多く手がける。
出版社:青土社
発売日:2025/10/27
言語:日本語
単行本(ソフトカバー):296ページ
版元ドットコム
寸法:13.2 × 2.1 × 19.0 cm
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