わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版
くどうれいん(著)
「お腹がすくと、人はこんなにも正直になるのか」と、何度も笑って、少し切なくなりました。
怒ったり、悲しくなったり、雷のようにお腹が鳴ったり——空腹は感情を隠してくれません。くどうれいんの文章も同じで、取り繕わず、軽やかで、でもちゃんと生きている実感がある。
食べたもの、見たCM、ふとした記憶。それらが俳句のような間合いで差し出され、日記という枠を軽々と飛び越えていきます。
盛岡の空気と時間が染み込んだこの一冊は、「ちゃんと食べて、ちゃんと生きる」ことを思い出させてくれる本。空腹時に読むのは、正直おすすめしません。
書籍概要
〈俳句をタイトルにしたエッセイ集〉
2016年6月の初夏、そして一年後の2017年6月。
くどうれいんが綴る、食べることと生きることの記録。
盛岡の小書店「BOOKNERD」から刊行された、歌人・くどうれいんによる言葉と食をめぐるエッセイ集。
その日食べたもの、美味しい食べ方を知ったもの、CMで見たもの、記憶の中の風景。日常の断片が、独り言のように、時に俳句のように連なっていきます。
文章は自分の内と外、過去と現在を行き来しながら、とびきり自由。日常の豊かさと、過ぎ去るものへの切なさが静かに響きます。
改訂版では、食をテーマにした対談が巻末に追加されています。
著者について
くどうれいん
盛岡在住の歌人・エッセイスト。
食や暮らし、記憶をめぐる軽やかで芯のある文章に定評があり、日常の感情をすくい上げる言葉選びが多くの読者に支持されている。
改訂版には食を交えての対談が巻末に追加。
発行 BOOKNERD(2022年)
サイズ 105mm × 150mm
その他 78P/ソフトカバー


