脳は世界をどう見ているのか 知能の謎を解く「1000の脳」理論
ジェフ・ホーキンス (著), Jeff Hawkins (著), 大田直子 (翻訳)
「真のAIを創るのに何が必要かをもっと学びたければ、本書が魅力的な理論を提供してくれる。心躍る洞察にあふれているから、脳科学やコンピューター科学の専門知識がない人にも最適だ」――ビル・ゲイツ(GatesNotesより)
「この本を寝る前に読んではいけない。怖いわけではない。悪夢にうなされることはないだろう。そうではなく、痛快で、とても刺激的なので、頭の中でわくわくするような大胆なアイデアが激しく渦を巻く。眠るよりも、外に飛び出して誰かに話したくなるのだ」――リチャード・ドーキンス(序文より)
フィナンシャル・タイムズ紙年間ベストブック
細胞の塊にすぎない脳に、なぜ知能が生じるのか? ビジネスと研究、AI(人工知能)と神経科学を行き来する異端児による、人類未到の知的挑戦。序文:リチャード・ドーキンス(『利己的な遺伝子』著者)
出版社からのコメント
知能の謎を解くカギは、大脳新皮質の構成単位「皮質コラム」にあった。/あなたが動くと感覚入力が変わる。それを観察することによって、脳は世界のモデルを学習する。モデルの基礎をなすのは、物体の位置とその変化を記述する「座標系」である。あらゆる皮質コラムに座標系をつくる細胞があり、あらゆる皮質コラムがモデルを持つ。/いま、あなたの目の前にコーヒーカップがあるとする。それをつかもうと手を伸ばすとき、コーヒーカップのモデルを持つ何千ものコラムが、次にどんな入力があるかを予測している。手ざわり、重さ、温度、机にもどしたときに立てる音……。あなたの知覚とは、コラム間の「投票」によってたどり着いた合意である。/このメカニズムは、物体の認知にとどまらない。民主主義、人権、数学、すべての概念は座標系内に保存される。思考とは、座標系内を動きまわることに他ならない。
著者について
著者紹介
ジェフ・ホーキンス(Jeff Hawkins)
1957年生まれ。神経科学者、起業家。神経科学とAI(人工知能)の研究を行なうヌメンタ社の共同創業者、チーフサイエンティスト。1979年にコーネル大学で電気工学の学士号を取得後、インテルのソフトウェア・エンジニアとして数年間働く。1986年にカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)で神経科学の博士課程に進んだが、大学という組織のなかで脳を総合的に研究することの壁に突き当たってシリコンバレーに戻り、1992年にパーム・コンピューティングを設立。現在のスマートフォンの先駆けとなる携帯情報端末「パームパイロット(PalmPilot)」を開発した。2002年、レッドウッド神経科学研究所を設立。2005年、同研究所をUCバークレーに移管するとともに、ヌメンタを設立。ホーキンスのアイデアはアンドリュー・エンや松尾豊らAI分野の著名人に影響を与え、各方面から称賛を集めている。他の著書に『考える脳 考えるコンピューター』(サンドラ・ブレイクスリーとの共著)がある。
訳者略歴
大田直子(おおた・なおこ)
翻訳家。東京大学文学部社会心理学科卒。訳書にドーキンス『さらば、神よ』『魂に息づく科学』、イーグルマン『あなたの脳のはなし』『あなたの知らない脳』、ムッライナタン&シャフィール『いつも「時間がない」あなたに』、リドレー『繁栄』『進化は万能である』(ともに共訳)、サックス『意識の川をゆく』『音楽嗜好症』(以上早川書房刊)ほか多数。
出版社 : 早川書房
発売日 : 2022/4/20
言語 : 日本語
単行本 : 328ページ