マーメイド・オブ・ブラックコンチ
モニーク・ロフェイ (著), 岩瀬徳子 (翻訳)
2020年英国コスタ賞受賞! マーガレット・アトウッド、カレン・ラッセル絶賛! カリブ海地域のマジックリアリズム、想像を覆す人魚物語が誕生。1976年。カリブ海に浮かぶブラックコンチ島の漁師デイヴィッドは人魚アイカイアと出会い、伝説の存在である彼女に惹かれていく。だが、ある日島で開かれた釣り大会で、アメリカ人の親子がアイカイアを釣り上げてしまう。博物館に売り飛ばそうとする彼らから瀕死の人魚を盗み出し、自宅に匿うデイヴィッド。世話をするうち、アイカイアは少しずつ人間の姿に変化していく。彼女は呪いで人魚に姿を変えられた、千年前の先住民族の少女だったのだ。一緒に暮らすうちにデイヴィッドと心をかよわせ、領主やその息子と仲良くなるアイカイアだったが、獲物を奪われたアメリカ人、ひと儲けをたくらむ村人、そして永久の呪いが彼女を放っておいてくれるわけもなく──人魚と人間の邂逅をとおして70年代カリブ海地域の混沌と活況を描いた傑作。
著者について
著者: Monique Roffey(モニーク・ロフェイ)1965年トリニダード出身。高校生でイギリスに移住し、イースト・アングリア大学で文学と映画を専攻、ランカスター大学でクリエイティブ・ライティングの博士号を取得した。2002年にマジックリアリズム小説【イタリック/Sun Dog】でデビュー。2020年、第6作目の長編である本作を発表。コスタ賞をはじめ多くの賞を受賞し、数々のベストブックリストに取り上げられた。訳者: 岩瀬徳子翻訳家。お茶の水女子大学文教育学部卒業。訳書『アイリーンはもういない』『ピュリティ』『最悪の館』『もうやってらんない』(すべて早川書房)。
出版社 : 左右社
発売日 : 2023/2/10
単行本(ソフトカバー) : 320ページ