熊本かわりばんこ
吉本 由美 (著), 田尻 久子 (著)
花と猫を愛する日々を綴った「熊本暮らし」随想集。
18 歳で上京、64 歳で帰郷した吉本由美さんが綴る熊本は、かつての記憶と未知の魅力が併存する街。他界した親から譲り受けた「実家」での庭造りや多くの猫との暮らし、新たな友人たちと展開するイベントや市政への参加などに、老いの問題をまじえて、リズム感とユーモア溢れる筆致で記す。
熊本で生まれ、市内で書店を営む田尻さんは最近、祖父母が暮らしたエリアに住まいを移した。子ども時代を過ごした山や池が残る地域での新しい暮らしを軸に、ほろ苦い思い出、保護猫たちとの出会い、季節の花々や近隣の人びととの触れ合いを、精緻かつ上質な描写で綴る。
互いが持つ友情や敬意によって「かわりばんこ」に紡がれたエッセイには、地方都市での暮らし(移住)や老後の生活、女性が積極的に参加するコミュニティづくり、潔い生き方の実践など、さまざまな示唆もある。エッセイ好きだけではなく、社会的な問題や女性の自立に関心のある層にも届けたい一冊。
出版社 : NHK出版
発売日 : 2024/1/29
言語 : 日本語
単行本 : 276ページ
寸法 : 13.5 x 2 x 19.2 cm