echo[街響空間] vol.1
『真夜中の京都の気配を連れて来た』
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京都の中京区に今年の3月開店した深夜喫茶/ホール 多聞さんが京都のローカルカルチャー誌「echo[街響空間]」。を刊行。
オクノ修(六曜社地下店/ミュージシャン)さんの貴重なインタビューや、青羽悠さんの書き下ろし短編小説のほか、書評・書店めぐり・フェミニズムなど。全45ページ、リソグラフで仕上がっています。多聞の店主の西條豪もお若いのにすごいなぁ、といつかお店に伺たいな。もちろん六曜社さんにも。
「喫茶っていうスタイルが必要なんですよ。椅子に座って、何かものを考えるっていうのが人間には必要な気がします」(オクノ修インタビューより引用)
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福岡在住の店主からするとこういう本や珈琲を媒介にして多くの「場」が点在する京都への強い憧れが止まりません。読書したり、物思いにふけたり、友人と他愛もない会話をしたり、ぼーっと何もしないで頭を空っぽにしたり。そういう場として喫茶店は存在するはずなのに「映え」「レトロ」のみに執着され消費される事が多い気がします。本屋も然り。スマホに支配されている空間としての使われ方の現在に嘆くオーナーさんも時々みかけます。本来の意味を捉えなおすためにオクノさんのインタビューはすごく興味深いものです。誠光社さんから出されているオオヤミノルさんの「喫茶店のディスクール」「珈琲の建設」にも通じるものがあると思います。本屋や喫茶店というものを今一度考えたい。カフェや喫茶店が多い福岡もそこに文化は根付いているんだろうか。消費されるファッションとしての場所であってならないと思います。
他にも小説や書評なども寄稿されており、次号が楽しみな一冊です。ぜひ珈琲の香りと共に京都の街を脳内散歩しながらお読みください。なんと寄稿する方も募集中とのこと。チャレンジしてみては?
制作:echo編集部
A5サイズ/47P
定価:¥1200+税