世界の食卓から社会が見える
岡根谷実里 (著)
世界各地の家庭に滞在し、その家の人とその土地の食材で料理をして食卓を囲むと、それまで気づかなった疑問が湧いてくる――
・どうしてここのほうれん草は日本のより味が強いんだろう
・肉とチーズを一緒に食べることが宗教的にだめってどういう理屈だろう
・なぜアボカド産地なのにいいアボカドが買えないのだろう
・ブルガリアの人って本当にヨーグルトをたくさん食べるんだろうか
そんな疑問から、食べ物と政治、宗教、環境、教育、気候、民族などとのつながりを解き明かしていく。
台所探検家・岡根谷実里が探る「おいしい/おいしくない」を超えた料理の向こう側の話。
第1章■食と政治 ブルガリア ヨーグルトは本当に「伝統食」か?
メキシコ アメリカナイズされるタコス
ベトナム 元技能実習生たちが作る精進料理
スーダン パンの普及が生活を揺るがす
★コラム1 おみやげに喜ばれる日本のお菓子は?
第2章■食と宗教
イスラエル マクドナルドにチーズバーガーがない――食べ合わせの謎に迫る
インド 世界一厳しい? ジャイナ教の菜食と生命観
★コラム2 機内食に見るフード・ダイバーシティ
第3章■食と地球環境
ボツワナ アフリカの大地で出会った、タンパク質危機を救う最強の魚
メキシコ アボカド人気が大地を渇かす
★コラム3 世界のサバ缶30種を食べ比べてみた
第4章■食の創造性
フィンランド パンケーキ作りに透けてみえる子ども中心教育
ベトナム 代替肉のルーツを探して寺の台所へ
第5章■食料生産
キューバ 食料配給制が残るオーガニック農業先進国
中国・上海 安心して食べられる野菜を求めて
ボツワナ 牛肉大国でなぜ虫を食べるのか?
★コラム4 卵大国の日本、なぜ卵はずっと安いのか?
第6章■伝統食と課題
モルドバ 自家製ワイン文化とアルコール問題
中華文化圏 進化する月餅と増える廃棄
★コラム5 ラマダンの時期、世界の食欲は増す
第7章■食と気候
ウズベキスタン 日本の野菜は水っぽい?
コロンビア 豊富な気候帯が生み出す一杯のスープ
★コラム6 世界の家庭の朝食はパンとシリアル化が進む
第8章■食と民族
パレスチナ 国境よりも堅いオリーブの木と自家製オリーブ漬けの誇り
ヨルダン シリア難民がもたらした食文化
著者プロフィール
世界の台所探検家。1989年、長野県生まれ。東京大学大学院工学系研究科修士修了後、クックパッド株式会社に勤務し、独立。
世界各地の家庭の台所を訪れて一緒に料理をし、料理を通して見える暮らしや社会の様子を発信している。
講演・執筆・研究のほか、全国の小中高校への出張授業も実施。訪問国/地域は60以上。
立命館大学BKC社系研究機構客員協力研究員、大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)連携研究員。
著書に『世界の台所探検 料理から暮らしと社会がみえる』(青幻舎)、翻訳絵本『世界の市場 おいしい! たのしい! 24のまちでお買いもの』(河出書房新社)など。
好きな食べ物はおやき。
出版社 : 大和書房
発売日 : 2023/4/15
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 312ページ
ISBN-10 : 4479394028
ISBN-13 : 978-4479394020
寸法 : 18.8 x 13 x 1.9 cm