平野甲賀と
平野甲賀と
平野甲賀(著/文)
発行:NEAT PAPER
B5変型判 縦245mm 横182mm 厚さ13mm 144ページ
大胆かつ繊細な描き文字を配した数多くの本の装丁、そして演劇集団「黒テント」のポスターデザイン・舞台美術などの仕事で知られる装丁家・グラフィックデザイナー、平野甲賀による描き文字〝画文集〟の決定版。
甲賀氏が82歳になった日、写真家の息子が娘をつれて父を一日撮影した……。老人力が増して来た甲賀氏を囲んで若きふたりのデザイナーが、描き文字選びに、作品選定に、レイアウトや造本に勤しんだ……。
本書はそんなふうに平野甲賀と数人のメンバーによって編んだ一冊です。制作中の合言葉は「絵本のように」。文字は風景なんだ――。甲賀氏のそんなことばに想をえたものでした。自身の手による描き文字作品群やエッセイのほか、制作風景や幕間のひとこま(撮影=平野太呂)、寺子屋「マルテの学校」の活動のこと(記録=編集部)、大好きなイラストレーターの作品(画=小島武)など、描き文字・画・写真・文をにぎやかに収めました。B5変型、コデックス装、カラーページ多数。
[著者のことば]
本書の制作にかかわっていると、ぼくは三十数年前につくった装丁術*のことを思いだした。あのときもワイワイみんなで作っていた。たしかぼくは40代で仕事場には猫がちょろちょろ出入りするし、庭で幼い娘が泣き叫んだりしていた。できあがった「平野甲賀と」はなんだかあの本の続き、あの本への30年後の返信みたいだ。
目次
・もしもじ帖
・平野甲賀と
・マルテの学校から horo books
・もじ転々
・あとがき
・おたのしみ
著者プロフィール
平野甲賀 (ヒラノコウガ) (著/文)
1938 年京城・現ソウル生まれ。装丁家、グラフィックデザイナー。
武蔵野美術学校デザイン科卒業後、高島屋宣伝部を経てフリーとなる。
1964 年から 1990 年にかけて晶 文 社のほぼ 全ての本の装 丁を手がける。
1973 年創刊 「ワンダーランド」ではアートディレクターをつとめる。
1984 年に 「講談社出版文化賞」ブックデザイン賞を受賞 (木下順二著『本郷』装丁)。また、これら本や雑誌の仕事と並行し、演劇集団「黒テント」の活動に長く携わる。78 年からは「水牛通信」「水牛楽団」に参加するなど 〝移動〟 劇団楽団と縁深い。
国内外での展示多数。
2014 年に小豆島へ移住。高松市在住。
2021年3月22日 逝去。