一本の水平線 安西水丸の絵と言葉
安西 水丸 (著, イラスト)
出版社 : クレヴィス
発売日 : 2022/8/30
言語 : 日本語
単行本 : 112ページ
いずれにしても、ぼくの心のなかにはいつも絵がある。―安西水丸
真っ白な紙に引かれた一本の線。
イラストレーター安西水丸は、そこに愛するモチーフたちを絶妙なバランスで配置し、独自の世界を表現した絵を数多く描きました。
多感な幼少期を過ごした房総半島の南端に位置する海辺の町、千葉県千倉町(現千葉県南房総市)。紙に引かれた一本の線は、そこから望んだ広大な水平線とつながっていました。
残された膨大な“仕事の海”には、海辺にキラキラと光るガラスの欠片や貝殻のような絵と言葉がたくさんあります。
一本の水平線が、広大な海へと連綿とつながるように、そしてゆるやかに季節を追うように本書を編みました。
また、一人のイラストレーターが何を感じ、どのように過ごしてきたのか、珠玉の絵70点に、貴重な言葉を添えてお届けします。
著者について
安西水丸 あんざい・みずまる(1942 - 2014)
東京生まれ。イラストレーター。幼少期に重い喘息を患い、母の郷里である千葉県千倉町(現千葉県南房総市)に移住。中学校を卒業するまでの多感な時期を、豊かな海を望むこの地で過ごした。エッセイや小説の中で、原風景として千倉がたびたび登場する。後年、「紙にホリゾンを引くとき、なぜかいつも千倉の海の水平線が目に浮かぶのです」と語っている。
日本大学芸術学部卒業後、電通、ADAC(ニューヨークのデザインスタジオ)、平凡社でアートディレクターを務める。1981 年、フリーのイラストレーターに。以降、広告、雑誌の表紙や挿絵、書籍の装画などで活躍のかたわら、小説、エッセイ、漫画、絵本なども数多く手掛け、今なお高い人気を博している。
朝日広告賞、毎日広告賞、日本グラフィック展年間作家優秀賞、キネマ旬報読者賞など受賞多数。小説に『アマリリス』『荒れた海辺』、エッセイに『青山の青空』『たびたびの旅』、絵本に『がたん ごとん がたん ごとん』『クッキーのおべんとうやさん』、漫画に『青の時代』『完全版 普通の人』などがある。