ケアを学ぶ人のために
¥2,750
International shipping available
西村 ユミ (編集), 熊谷 晋一郎 (編集)
弱さに向きあい、弱さに学ぶ
育児や介護から医療や福祉まで、少子高齢化を背景に広がるケアの議論。非対称な関係のなかで信頼を構築する方法とは? 誰もが責任を担い誰もが依存できる社会とは? 現場のリアルを最重要の論点で整理した入門書。
◎目次
はじめに
Ⅰ部 人間の根源としてのケア──ケアの基本1
1章 ケアとは何か(宮坂道夫)
2章 弱さへの応答(西村ユミ)
3章 トータル・ケア(榊原哲也)
4章 自己決定と自立(熊谷晋一郎)
Ⅱ部 共存の場としてのケア──ケアの基本2
5章 身体との接触(伊藤亜紗)
6章 日常と場(三井さよ)
7章 孤立と気づき(村上靖彦)
8章 ケアの倫理とケアリング・デモクラシー(冨岡薫・相馬直子)
9章 共感の代償(武井麻子)
10章 当事者の連帯とピアサポート(永森志織)
TALK BACK 私は「ケア」が苦手です(油田優衣)
Ⅲ部 多様な人々と創造するケア──ケアの実践・研究1
11章 子どもの生きづらさからケアを考える(大塚類)
12章 インクルーシブ保育を実践する(東村知子)
13章 共に在る場所をつくる(山田あすか)
14章 患者の選択から距離をとる(田口陽子)
15章 高齢者の未来をひらく(井口高志)
Ⅳ部 社会を変革するケア──ケアの実践・研究2
16章 料理から社会を問う(阿古真理)
17章 弱者の物語をひも解く(小川公代)
18章 ケアから市民像を再考する(池田弘乃)
19章 ケアと自然・コミュニティをつなぐ(広井良典)
参照文献/索引
◎はじめにより
子どもや高齢者、障害者など、一部の人々だけがケアを必要としているとみなされがちだが、実際は、すべての人々が膨大な人やモノからケアを受け取っている。ケアなしに生きていくことはできないのだ。そこから、ケアは相互に依存しあうことで成り立っているこの社会の前提条件であることが見えてくる。したがってケアは、万人が等しくそれを担う責任とそれを受け取る権利を分けもつべきものである。
しかし現実には、一部の人にケアの責任が集中したり、一部の人が十分なケアを受け取れていなかったりする状況がある。介護や育児などのケアを誰が担うかという課題や、生きづらい思いをしている人たち、病いや障害をもった人々、多様な状態にある人々との共生という課題が顕在化するのはそれゆえである。
ケアが万人に等しく担われ、また受け取られる権利となる基盤をつくるには、ケアする者/される者という二元論にもとづいたケア観を、別様に転換する必要がある。いわばケアのパラダイムチェンジである。それには、ケアを根本から問いなおす議論が必要になるだろう。
著者について
西村 ユミ(にしむら ゆみ)
東京都立大学健康福祉学部/人間健康科学研究科教授。
専門は看護学、現象学的研究。
著書に『語りかける身体──看護ケアの現象学』(講談社学術文庫、2018年)、『交流する身体──〈病い〉と〈ケア〉の現象学』(講談社学術文庫、2025年)、『看護実践の語り──言葉にならない営みを言葉にする』(新曜社、2016年)など。
熊谷 晋一郎(くまがや しんいちろう)
東京大学先端科学技術研究センター教授。
専門は当事者研究、小児科学。
著書に『当事者研究──等身大の〈わたし〉の発見と回復』(岩波書店、2020年)、『リハビリの夜』(医学書院、2009年)、『発達障害当事者研究──ゆっくりていねいにつながりたい』(共著、医学書院、2008年)など。
出版社 : 世界思想社
発売日 : 2026/4/3
言語 : 日本語
本の長さ : 272ページ
寸法 : 13 x 1.6 x 18.6 cm
-
レビュー
(0)
