旅の断片
若菜晃子 (著)
出版社 : アノニマ・スタジオ
発売日 : 2019/12/20
言語 : 日本語
単行本 : 320ページ
登山の専門出版社の編集者を経て文筆家として活躍している著者による、待望の随筆集第2弾。さまざまな国の風景や人との交流、旅を通じて広がってゆく思考を、静謐な文章でまっすぐに綴ります。個人的な旅の記憶が濃やかに表現され、読者も体感できる情緒豊かな一冊。
もくじ
・旅の夜
ブリークの夜/夜、馬車に乗って/ラクダ使いのミティ/月夜の晩/夜の遊園地/夜の台北/夜の旅
・メキシコ断簡
砂漠断簡/コルテス海にて/樹上の神様/セント・イグナシオその後/遠のく扉
・海の旅
海の仲間たち/海に入る/海に学ぶ/オランダ浜/海のクリスマス/海に帰る/ゴバンノアシ/Tさんのサンゴ
・人々の街角
昼下がりの町/家で着る服/ヌメアのフランスパン/気球の絵皿/地下鉄のトランペット/さいはての町/城壁の町/コボロイの音
・英国、裏庭の冒険
冒険の地平/シオンの裏庭/裏庭三題/別世界からの帰還
・地中海の島キプロス
キプロスの教会/キプロスの壺/キプロスの切手/キプロスのお菓子/キプロスの木/キプロスの化石
・土産ばなし
自分土産/買わない後悔/台座の石/ハンカチ四題
・インドのおじさん
蚊の青年/サモサのおじさん/運転手のマヘジ/子煩悩なオーナー/エローラの石窟/インド門の僧侶
・サハリン点描
サハリン点描/サハリンの列車/琥珀海岸
・インドネシア・スマトラの雨
クワ王様/おばあさんのせんべい/交差点の自転車レース/市場の甘味食堂/ロニのお守り
・花のスリランカ
花の玉座/仏の手/紅茶丘陵/女学校の記念行事/日曜日の夕暮れ/名もなき駅
・滞在国・都市名一覧
・おわりに
出版社からのコメント
静けさの中に芯の通った強さがある文章で、山の魅力をあますところなく綴った前著、随筆集『街と山のあいだ』は増刷を重ね、多くの山好き、本好きの方の心を捉えています。著者の濃やかな視点による表現は、ある場所、ある時間の、ある風景をくっきりと浮かび上がらせ、読者自身の記憶のようにさえ感じさせる力を秘めています。「旅の夜」からはじまり、旅先はメキシコ、イギリス、キプロス島、インド、ロシアのサハリン、スリランカなど多種多様。自然、人、食べものや文学など、著者の多角的な興味や造詣の深さを感じる一冊。
著者について
若菜晃子(わかなあきこ) 1968年兵庫県神戸市生まれ。編集者。学習院大学文学部国文学科卒業後、山と溪谷社入社。『wandel』編集長、『山と溪谷』副編集長を経て独立。山や自然、旅に関する雑誌、書籍を編集、執筆。著書に『東京近郊ミニハイク』(小学館)、『東京周辺ヒルトップ散歩』(河出書房新社)、『徒歩旅行』(暮しの手帖社)、『地元菓子』(新潮社)、『東京甘味食堂』(本の雑誌社)など多数。初の随筆集『街と山のあいだ』(アノニマ・スタジオ/2017年刊)が好評。「街と山のあいだ」をテーマにした小冊子『mürren』編集・発行人。