科学オモテウラ大事典
左巻 健男 (著)
科学には輝かしいオモテがある一方で暗いウラもある!
電気自動車から新型コロナウイルスまで、気になるテーマのオモテとウラ、光と陰、善いこと悪いことを見開きにして紹介。どちらから読んでも楽しめる科学読本、ついに誕生!
▶ニュートンによって陰に追いやられた男、アポロ計画が今も嘘だと言われる理由
例えば、アイザック・ニュートン。誰もが知っている、物理学界に燦然と輝く巨人だ。しかし同時代、彼の陰で活躍したもう一人の物理学者をご存じだろうか。その名をロバート・フックという。フックは、「ばねの伸びと力が比例する」という、いわゆるフックの法則の発見者である。彼は優れた実験技術をもち、王立協会の書記をはじめ、様々な分野で活躍したが、その後王立協会会長となったニュートンに疎んじられ、実験装置や肖像画を一掃されたのだった…。
例えば、アポロ計画。人類初の月面着陸として、アメリカNASA の業績として有名だ。しかし一方で、アポロ計画はアメリカの陰謀ないし捏造ではないかとの説がまことしやかに囁かれている。理由は、「月面は真空であるはずなのに、写真や映像に映っている星条旗がはためているのはおかしい」というものだ。実際には、旗が揺れたのは、宇宙飛行士が旗のポールを回したことによって起こったものだった。真空でも「慣性の法則」が成り立つため旗はなびくのである。
▶「原子爆弾」から「うんこ」まで、取り上げているテーマは多種多彩!
このように科学には、様々なオモテとウラがある。それは、光と陰とも言えるし、右と左かもしれない。何の関連もなさそうは二つの事柄が、実は背中合わせだったりするのだ。
本書では、141 のテーマのオモテとウラをイラストを交えて紹介していく。「核分裂」と「原子爆弾」といった物理の“ど真ん中”のものから、「うんこ」と「おしっこ」といったばかばかしいものまで、内容は多彩なものになっている。ちなみに「国際宇宙ステーション」のウラは「おなら」である。なぜだろう。知りたい方は、ぜひ、本書を読んでみてほしい。
また、本書では「新型コロナウイルス」や「電気自動車」といった近年話題となっているテーマも掲載している。気になるテーマから読むもよし、ウラから読んで行くもよし。どんどん読んで、科学うんちくをどんどん蓄積していってほしい。
▶「科学はおもしろい」ことを分かち合いたい!
文学や芸術を楽しむように、科学を文化の一つとしてとらえて楽しみたいというのが本書の趣旨でもある。本書を通して、「科学はおもしろい」ことを、皆さんと分かち合えたらこれほど素晴らしいことはない。
著者について
東京大学非常勤講師・元法政大学教授・『RikaTan(理科の探検)』誌編集長。1949年生。埼玉県公立中学校教諭・東京大学教育学部附属中・高等学校教諭・京都工芸繊維大学教授・同志社女子大学教授・法政大学生命科学部環境応用化学科教授・法政大学教職課程センター教授を経て現職。理科教育(科学教育)、科学リテラシーの育成、科学コミュニケーションを専門とする。著書は『おもしろ理科授業の極意: 未知への探究で好奇心をかき立てる感動の理科授業』東京書籍、『学校に入り込むニセ科学』平凡社新書、『面白くて眠れなくなる元素』『面白くて眠れなくなる化学』『新版 面白くて眠れなくなる地学』PHP研究所、『世界史は化学でできている』ダイヤモンド社、『こんなに変わった理科教科書』ちくま新書など多数。
出版社 : 東洋館出版社
発売日 : 2022/11/26
言語 : 日本語
単行本 : 294ページ