浅生鴨短篇小説集 たった二分の楽園
浅生鴨 (著)
人生最期の二分間、あなたなら何をしますか?
空気が汚染され、人類は地下に移住した。寿命までも管理される社会に嫌気がさした男は、命が尽きる最期の瞬間に“本物の空”を見上げるため地上を目指すが……(表題作『たった二分の楽園』)。
街中の見知らぬ人々から恋人と別れることを執拗に迫られる「顔」、浮気の腹いせに毎日二十枚の宅配ピザが送られてくる妄想に取り憑かれた「強烈な仕返し」、人類と寿司の四百年戦争「革命の旗」ほか。
ありえないほど滑稽なのに、笑い飛ばせない“何か”が残る。風刺に彩られた奇妙な50の物語。
著者について
浅生鴨(あそう・かも)
作家、広告プランナー。1971年、神戸市生まれ。たいていのことは苦手。ゲーム、レコード、デザイン、広告、演劇、イベント、放送などさまざまな業界・職種を経た後、現在は執筆活動を中心に広告やテレビ番組の企画・制作・演出などを手掛けている。主な著書に『アグニオン』、『猫たちの色メガネ』、『伴走者』、『どこでもない場所』、『あざらしのひと』、『浅生鴨短篇小説集 すべては一度きり』『ぼくらは嘘でつながっている。』など。近年、同人活動もはじめ『異人と同人』『雨は五分後にやんで』などを展開中。座右の銘は「棚からぼた餅」。
出版社 : 左右社
発売日 : 2022/12/21
単行本(ソフトカバー) : 352ページ