「わたし」と平成 激動の時代の片隅で

Yahoo!ニュース 特集編集部 (編集), 高田昌幸 (編集)

Yahoo!ニュース 人気企画、待望の書籍化!

プリクラの開発者、新橋の靴磨き、戦争の語り部、
被災者、老舗喫茶店主、離島の灯台守、
ホストクラブ経営者、遺品整理業、
94歳の現役助産師、救命救急士……

30人の語るそれぞれの30年を通じて、
平成という一時代の
終わりとその先を見つめる。

朝井リョウ、DOZAN11(元・三木道三)、森達也の特別インタビュー掲載。

バブル崩壊から始まった平成の時代。
事件や災害、社会制度の変革、技術の急速的な進歩など、あらゆる「当たり前」が揺らぐ中でわたしたちは生きてきました。

都会や地方、職場や家庭で日々を生き抜く人々には、それぞれに忘れられない思い出や貴重な体験があります。

多種多様な人々が何を思い、何を糧にしてきたか。そうした個人の「肉声」に耳を傾けることで、次の時代に進む私たちが生きるための道標となることでしょう。

生き方や価値観が多様化したいま、埋もれがちな個人史をすくい上げることで、そこから浮かび上がる「平成」という時代を振り返ります。


―――
「人の流れが速いわねぇ。みんな、足が速くなったわね。ゆっくりする暇がないんだか、ちゃっちゃちゃっちゃ通りますよ。前はね、この辺で、3人くらいで並んでしゃべっている女の人もいたけど、もうね、じっとしてる人を見なくなった。ゆったりしてるところがないの。みんな大変だよね。家のローンも、携帯代も払わなきゃなんない。世の中のものが豊富にあり過ぎるのよね。みんなが買えば真似して欲しがるし。お金かかるから、一生懸命働かなきゃね。一生懸命だから足も速くなるのかね」
靴磨き 中村幸子さん(87) 東京・新橋
(本文より)
―――

◎目次
はじめに 高田昌幸
情報が溢れるネットで「社会」を深く掘り下げる記事を−−「ヤフーニュース 特集」の試み 伊藤儀雄

第1章 生み出す人々
宝くじに当たったようなもの。いつ死んでも悔いはありません
−−プリクラ開発者 佐々木美穂さん(53)
水泳の道が絶たれ、「キムタクかっこよかったな」って思い出しました
−−美容師 赤木成行さん(36)
3・11以降のプレッシャーは大きかった。「絆」を強く求められて
−−ラジオドラマ脚本家 北阪昌人さん(56)
自然は絶対逆らえない上司。サバンナで生活しているトラ、みたいな感じです
−−農家 柴海裕也さん(32)
日本になかったレゲエ。一曲一曲が発明品みたいな感覚でした
−−DOZAN11(元・三木道三)さん

第2章 大都会の雑踏で
どんなに古くても磨けばきれいになる
−−靴磨き 中村幸子さん(87)
みなさん、立派だなって思いますよ。お客さん見てて
−−「ニューカヤバ銘酒コーナー」 服部容子さん(50)
ディスプレイを見せたい人の幅が広がった
−−「和光」のアートディレクター 武蔵淳さん(51)
最近になって、若い人が増えてきた
−−老舗喫茶店の店長 村田克明さん(69)
「お父さん、元気?って、今でも言っていただくんですよ
−−帝国ホテルのドアマン 富田秀弥さん(49)

第3章 わが道をゆく
障がい年齢33歳。もうちょっと生かしていただいて
−−会社員 佐藤隆信さん(56)
結局、生き残ったのは僕ひとりでした
−−ホストクラブ経営者 愛田孝さん(53)
教育の力を信じたい
−−教育コーディネーター 武田緑さん(33)
ビートルズ聴いたことない? ちょっと待て
−−書店主 大井実さん(57)
失われた何十年って、言ってる人が勝手に行き詰まってる感じ
−−国際ボランティアNGO「NICE」代表 開澤真一郎さん(50)
「集団化しやすい日本人は、 暴走を始めている」――オウムとネットメディアの平成
−−ドキュメンタリー映画監督/作家/明治大学特任教授 森達也さん(62)

第4章 変わる、変える
どこにでもある映画館が、特別な場に変容する瞬間があるんです
−−「新文芸坐」の支配人 矢田庸一郎さん(55)
誰かの役に立っていると、当時はなかなか思えなくて
−−元灯台守 濱野満さん(60)
村はなくなったけど、清内路は残っとるでね
−−最後の清内路村長、桜井久江さん(70)
動物園はスーパーマーケットじゃない
−−到津の森公園園長 岩野俊郎さん(70)
吹き飛ばされそうな波についていく。そんな感じの30年
−−個人薬局経営 前田順子さん(61)
日本メーカーは太刀打ちできなくなった
−−「一太郎」開発者、現 MetaMoJi 代表取締役社長 浮川和宣さん(69)

第5章 語り継ぎたい
これからもきっと、見守ってくれている
−−8・12連絡会 美谷島邦子さん(72)
孫娘が「ばあちゃん、差別する側が間違っている」って
−−ハンセン病回復者 金城幸子さん(77)
被ばく者の写真を見せないでくれ、という学校もある
−−原爆の語り部 森口貢さん(82)
みんな、あんぽんたんみたいな、こんな時代がありがたいのよ
−−戦争経験世代 岡田節子さん(86)
「さよなら」以上の「はじめまして」があった
−−阪神・淡路大震災遺児、会社員 中埜翔太さん(27)

第6章 命をつなぐ
若い人の孤独死が増えました。生き抜く力が乏しいのかな
−−遺品整理 増田裕次さん(44)
僕の役割は教会の中で祈ることじゃない
−−NPO法人「山友会」代表 ルボ・ジャンさん(73)
お母さんに抱かれてお乳をもらう。それが赤ちゃんの願い
−−国内最高齢の助産師 坂本フジヱさん(94)
死んだらアカンくらい誰でもいえる。わしが、なんとかしてやる
−−NPO代表、元警察官 茂幸雄さん(75)
後輩に言うんです。モノも人も愛し、勇気を持って現場へ、って
−−さいたま市西消防署 消防司令長 石井利夫さん(59)
「ナンバーワンよりオンリーワンにも地獄はある」
−−作家 朝井リョウさん(29)

※()内は取材当時の年齢

おわりに 伊澤理江

出版社 ‏ : ‎ フィルムアート社
発売日 ‏ : ‎ 2019/3/26
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 288ページ

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