感性は感動しないー美術の見方、批評の作法 (教養みらい選書)
椹木 野衣 (著)
子供の絵はなぜいいの? 絵はどうやって見てどう評価すればいい?
美術批評家・椹木野衣は、どのようにつくられ、
どんなふうに仕事をして生きているのか?
絵の見方と批評の作法を伝授し、批評の根となる人生を描く。
〇著者初の書き下ろしエッセイ集
〇25校以上の大学入試で出題された「感性は感動しない」を収載
〇世界思想社創業70周年記念新シリーズ「教養みらい選書」第3弾
【目次】
はじめに
感性は感動しない
I 絵の見方、味わい方
かたまりとしての思考/絵を前に思いをめぐらす/感想は言わない/
子供の絵/初めての西洋美術/美術館鑑賞術1 歩くスピード/
美術批評家になるには/美術館鑑賞術2 売り文句を疑う/
美術館鑑賞術3 東京で歩きまわる/美術の母語/
絵をまるごと呑み込む/イギリスでダリと再会
II 本の読み方、批評の書き方
本をどう選べばいいか/書くための読書術1 本の食べ方/
書くための読書術2 生涯で読み込める本の数/書くための読書術3 惑星のような本/
キータッチ――対話しながら書く/手書きを大事に――息を止めて推敲する/
日本語の批評/展覧会図録の横書き/
ツイッターの書き方/スマホとのつきあい方/眠りと執筆/蔵書と家
III 批評の根となる記憶と生活
家が自分に住み着く/批評の根/私の育った秩父/
子供のころ恐怖を感じたマンガ/秩父と京都の反骨精神/
青春の暴走とギター/なんでもありの音楽から批評家へ/
批評の姿勢を身につけた大学時代/憑依する音楽/究極の呑み方/
飛行機の座席の選び方/子育てと批評/部屋の外の世界に気づく
著者について
椹木野衣(さわらぎ のい)
1962年埼玉県生まれ。
故郷の秩父で音楽と出会い、京都の同志社で哲学を学んだ盆地主義者。
美術批評家として会田誠、村上隆、ヤノベケンジら
現在のアート界を牽引する才能をいち早く見抜き、発掘してきた。
既存のジャンルを破壊する批評スタイルで知られ、
蓄積なしに悪しき反復を繰り返す戦後日本を評した
「悪い場所」(『日本・現代・美術』新潮社)という概念は、
日本の批評界に大きな波紋を投げかけた。
ほかにも読売新聞(2010-2011)、朝日新聞(2017-)の書評委員として
あらゆる分野にわたる書評多数。
多摩美術大学教授にして岡本太郎「芸術は爆発だ! 」の精神的継承者。
芸術人類学研究所所員も務める。1児の父。
おもな著書に、『シミュレーショニズム』(増補版はちくま学芸文庫)、
『反アート入門』『アウトサイダー・アート入門』(ともに幻冬舎)、
『太郎と爆発』(河出書房新社)、『後美術論』(美術出版社、第25回吉田秀和賞)、
『震美術論』(美術出版社、平成29年度芸術選奨文部科学大臣賞)。
出版社 : 世界思想社
発売日 : 2018/7/13
言語 : 日本語
単行本(ソフトカバー) : 208ページ