みんなの社会的処方: 人のつながりで元気になれる地域をつくる

西 智弘 (編集, 著), 岩瀬 翔 (著), 西上 ありさ (著), 守本 陽一 (著), & 4 その他

暮らしているだけで元気になれるまちづくり
孤立という病に対し薬ではなく地域の人のつながりを処方する「社会的処方」。日本での実践はまだ始まったばかりだ。いま孤立しているかどうかや、病気や障がいの有無、年齢に関わらず、「誰もが暮らしているだけで自分の生き方を実現できるまち」をどうつくるか。世界と日本の取り組みに学び、これからのビジョンを示す一冊。

【目次】 はじめに 社会的処方はもっと自由でいい

Chapter1 社会的処方の「3つの理念」
人間中心性
エンパワメント
共創
「支援する」とはどういうことか
社会的処方の「型」
社会的格差と、広がる自己責任論

Chapter2 孤独・孤立の現状
若者を含めた「居場所」はどのように作れるのか
REPORT│小杉湯│西 智弘
90年間建ち続けてきた「場」としての力
社会に必要な、インフラとしての銭湯
「開くのではなく、閉じない」からの相補う関係性
小杉湯「的な場」が持つ、社会的処方としての意義:社会的行方不明者をつくらない
社会的処方の進化 Green/Blue Social Prescribing
REPORT│Nami-nications│西智弘
サーフィンを通じてつながる Nami-nications
アダプティブ・サーフィンが変えていくもの
Green/Blue Social Prescribingの広がり
働かざるもの食うべからず「ではない」

Chapter3 社会的処方と世界・日本の動き
REPORT│イギリス・フルーム│岩瀬翔
イギリス・フルーム 誰もがリンクワーカーになれる町
MakeaSpark まずは何か動き出そう
「人間の道しるべ」作戦 おせっかい住民をエンパワメントする
コロナ禍を経て本質を掴んだ市民リンクワーカー達 ヘリテージコネクター/グリーンコミュニティコネクター
世界の社会的処方の現在地 言葉が全てではない
日本における「モデル事業」 名張と養父
REPORT│名張市│西上ありさ
厚労省モデル事業:名張市/ステイホームダイアリーと社会的処方の展開
REPORT│養父市│守本陽一
厚労省モデル事業:養父市
様々なセクターがまずつながる
医療を起点とした社会的処方の実践
養父市におけるリンクワーカー養成講座
小規模多機能な公共空間「だいかい文庫」
「孤独・孤立対策推進法」とその意義

Chapter4 社会のなかで生きることが元気につながる
EPISODE│オバケのタムタム&studio FLAT│西智弘
バリアを超えて才能を届ける StudioFLATの取り組み
障がいのある無しに関わらず、良いものは良い
アートと障がいと社会的処方的な意義
アートを通じて、人と社会がつながっていく
REPORT│アートと社会的処方│稲庭彩和子
アートはずっと存在している。それはなぜなのか?
アートと文化でウェルビーイングを増進
「とびらプロジェクト」と社会的処方の共通項
私たちの目指すこと
アートコミュニケータとソーシャルな鑑賞法
「きく力・みる力」がケアする力になる
REPORT│Dance Well│西智弘
Happy! Dance Well
美術館の内外、そしてアート作品を利用して自らを表現する
身体表現を使って、他人と会話する
ダンスレッスンではないのに、結果的にダンスになっている
アートがもつ力で変わっていったAさん
アートが持つ「ケアの力」
無意識の差別をこえていく
REPORT│高齢者福祉施設 西院│西智弘
「要介護」? 関係なく夢は叶えられる
「はたらく」こと=生きるをつくること
「参加」からはじめる
就労とお金の問題

Chapter5 暮らしているだけで元気になれるまちをつくる
おせっかいのエンパワメントは意外と効く
REPORT│おせっかい会議│石井麗子
地域おせっかい会議の風景
コミュニティナースと健康おせっかい
まちの身近な存在、郵便局がおせっかいのハブになる
「共感・挑戦・ネットワーク」の実践支援プロセス
まちへ飛び出し声を拾い続ける事務局
社会的処方の視点からみた地域おせっかい会議
やればやるほど楽しいことが大きくなる
おせっかいが育む優しい目
REPORT│ほっちのロッヂ│藤岡聡子
診療所とまちの居場所が複合された「ほっちのロッヂ」
発地(ほっち)にある森小屋を起点に
私たちは人の何を捉えているのか
自分の関心のあることに掛け合わせていく
ケアする・される関係性の逆転は台所から
大切な人を亡くした人が、「あのね…」と話せる部屋があるといい─福島沙紀

おわりに この本で伝えたかったつのこと
暮らしの保健室・川崎/社会的処方研究所はどうなっているか/社会的処方の未来

著者について
【編著者】
西 智弘
川崎市立井田病院医師/一般社団法人プラスケア代表理事。
2005年北海道大学卒。室蘭日鋼記念病院で家庭医療を中心に初期研修後、川崎市立井田病院で総合内科/緩和ケアを研修。その後2009年から栃木県立がんセンターにて腫瘍内科を研修。2012年から現職。現在は抗がん剤治療を中心に、緩和ケアチームや在宅診療にも関わる。一方で、一般社団法人プラスケアを2017年に立ち上げ代表理事に就任。「暮らしの保健室」や「社会的処方研究所」の運営を中心に、「病気になっても安心して暮らせるまち」をつくるために活動。日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医。著書に『社会的処方 孤立という病を地域のつながりで治す方法』(学芸出版社)、『緩和ケアの壁にぶつかったら読む本』(中外医学社)、『がんになった人のそばで、わたしたちにできること』(中央法規出版)他多数。

【著者】
岩瀬 翔/式根島診療所所長
西上 ありさ/studio-L
守本 陽一/般社団法人ケアと暮らしの編集社代表理事/兵庫県豊岡保健所
稲庭 彩和子/独立行政法人国立美術館国立アートリサーチセンター
石井 麗子/一般社団法人プラスケア
藤岡 聡子/軽井沢町・大きな台所と診療所があるところ ほっちのロッヂ共同代表
福島 沙紀/一般社団法人プラスケア

出版社 ‏ : ‎ 学芸出版社
発売日 ‏ : ‎ 2024/2/29
言語 ‏ : ‎ 日本語
単行本(ソフトカバー) ‏ : ‎ 256ページ

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