こじらせ男子とお茶をする
月と文社 (編集)
「こじらせている」と自覚する男性たちの「安定のレール」に乗らない生存戦略とは?
「どこへ行ってもやっていけない気がした」「人と同じことをするのがいやだった」「自分を理解されてたまるか、と思っていた」――。元ニート、ミニマリスト、芸人、ひとり出版社経営者など、「主流」から逸脱し、振り切った生き方をしてきた30~50代の男性6人が登場。「何者かになるとは」から「オタクであること」まで、彼らならではの自意識との向き合い方や、世の中へのまなざしに触れる濃厚インタビュー集。
<本書に登場する男性たち>
島田潤一郎:ひとり出版社「夏葉社」代表。不器用な生き方を綴った『あしたから出版社』がロングセラー
pha:元“日本一有名なニート”。近著『パーティーが終わって、中年が始まる』が大ヒット中
佐々木典士:ミニマリスト。『ぼくたちに、もうモノは必要ない。』が世界累計80万部突破のベストセラーに
ファビアン:芸人。吉本興業の第一芸人文芸部で活動。著書はショートショート小説『きょうも芸の夢をみる』
田中 弦:Unipos社長CEO。「人的資本開示のマニアック報告会」で上場企業経営者が大注目する異色の起業家
下平尾 直:ひとり出版社「共和国」代表。文化批判的な書物を圧倒的な熱量で刊行する、存在感際立つ版元
<「はじめに」より>
本書は、世間一般の「安定的な」「手堅い」キャリアや「主流の」考え方を選択せず、あえて自分の信じる道を切り開こうとしてきた、「こじらせている(いた)」という自覚を持つ男性たちへのインタビュー集です。「こじらせる」というあり方には、「思考停止にならずに立ち止まる」に近い意味合いもあると私は感じており、彼らがいかにしてその状態と向き合い、その後の行動につなげてきたかを紐解くことで、人が自身を見つめるための普遍的な視座が得られるのではないかと考えています。
(中略)
インタビューの内容は、その方の「自意識」と「生存戦略」を軸にしています。どんな自己認識をしながら、どんな道を歩んできたのか。何に影響を受け、何に傷つき、何で自信を得てきたのか、という視点で話を聞きました。それぞれの方の実際の語り口をできるだけ生かした文章にしていますので、実際に本人と「お茶をしている」感覚で読んでいただければ幸いです。